PGWP(ポストグラデュエーションワークパーミット)をご存知でしょうか?PGWPはカナダで一定の条件を満たした学校を卒業した後に取得できる就労ビザであり、カナダに永住する一番の近道です。
カナダに長期滞在したい方やカナダの永住権取得を考えている方におすすめのビザになります。ここではPGWPについて申請条件や申請方法まで徹底的に解説していきます。
目次
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PGWPとは
PGWPとは正式名称をポスト・グラデュエーション・ワーク・パーミットといい、省略してポスグラと呼ばれています。PGWPは就労ビザの一種であり、カナダの既定の学校を卒業した時に、通学した期間と同じ期間の就労ビザが発行(最長3年)されます。
PGWPは学校で学んだ内容を就労を通して実践的なものにするための制度です。カナダで働くには、何と言ってもビザがないと始まりません。PGWPはカナダで長期間学業を積んだ人にだけ提供される優遇されたビザといえるでしょう。
PGWPをおすすめする対象者
PGWPは誰でも条件を満たせば取得できますが、ここではどんな方におすすめかご紹介します。
PGWPがおすすめなのは、すでにワーキングホリデーを使用している、または、31歳を超えているためワーキングホリデーが使用できないが、カナダに長期間滞在したい方です。学業と同じ期間の就労ビザが下りるので、学業期間に合わせて就労期間もカナダに滞在することができます。
特にカナダの永住権を取得したい方にPGWPをおすすめします。PGWPを取得すると学業に合わせて就労の経験も得られるので、永住権を取得する際に有利になってきます。
PGWPは一生に一度だけ取得できる
PGWPには制限があり、一生に一度のみ取得できます。学校に長く通った方がPGWPの就労可能期間が長くなるため、長期間学校に通ったほうがお得です。最長3年間のPGWPを取得できるので、8か月など短い期間だと8か月のみのビザしか取得できません。
外国人にとってカナダで働けるビザというのはとても貴重なものです。いつ取得するかや、どのように使用するかなど計画的に使用することをおすすめします。ちなみにPGWPの大学に2回通っても2回目はPGWPは取得できません。
PGWPはカナダに永住するための味方
カナダに永住する人にとってPGWPは強い味方になります。カナダの永住申請はポイント制になっており、学歴や職歴がポイントとして加算されていきます。PGWPはオープンワークパーミットであり、ワーキングホリデーと同じで働く場所を制限しません。そのため就労場所の確保が楽に行えます。
1年以上の就労は永住権の取得に関するポイントとして加算されるので、カナダに永住を考えている方には最適なビザと言えるでしょう。PGWPを取得するためには指定された学校を卒業しなければならないので決して簡単ではありませんが、PGWPを取得できるとカナダ永住に大きく近づけることになります。
カナダのPGWPに必要な条件
PGWPを取得するには、指定された学校を卒業する必要があります。そのため、どの学校を卒業してもいいわけではありません。PGWPビザの発行条件として、①8か月以上のプログラムであること②フルタイムの就学であること③公立の大学院、大学、カレッジであること④大卒者に対してはCLB7、カレッジ卒者にはCLBの英語力が必須条件です。
※Canada Language Benchmark(CLB)とはカナダ国内で使用されている英語力測定基準です。
また、公立カレッジのプログラムの卒業生は、その専攻分野がカナダの労働市場の不足と関連している場合に限り、PGWPを取得することができると制限する方針です。
そのため、PGWPの規定外の学校であれば意味がなくなるためPGWPを取得するには学校選びをきちんと行う必要があります。
学校選びが不安な方はお気軽にご相談ください。
PGWPの就労期間について
PGWPは8か月以上2年未満のプログラムを卒業した場合は就学期間と同じ期間のPGWPが習得できます。2年以上のプログラムを卒業した場合には最長の3年間のPGWPを取得することができます。
一番短いプログラムは8か月就学+8か月就労、一番長いプログラムは2年就学+3年就労になります。PGWPビザは最長3年間となるため、2年以上のプログラムでもPGWPは3年間となります。
PGWP申請の費用
PGWPを申請するには申請費用として$255が必要になってきます(2020/1/15現在)。PGWPの支払いはビザ申請と同時にオンラインで行われます。PGWP申請の費用である$255は学費とは別に支払うことになります。
PGWPの申請時期
PGWPを申請するタイミングには条件があります。その条件とは、学校の卒業レターか最終成績証明書を受け取った日のいずれか早い方から数えて180日以内にPGWPの申請を行うことです。
なお、学生ビザの期限が切れている場合はビザ期限から90日以内に申請と申請費用の支払いが必要です。
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PGWPを取得するまでの4つのステップ
ここではPGWPを取得するまでのおおまかな流れをまとめてみました。PGWPを取得する際の参考にしてください。
①対象の学校のプログラムへ入学する
PGWPを取得するには指定されている公立の大学院、大学、カレッジを卒業する必要があります。対象の学校への入学手続きを行い、学生ビザを取得しましょう。
就学期間によってPGWPはが発給される期間が異なりますので、永住権を狙われる方は2年のコースを選択することをお勧めします。下記内容が当てはまるかも必ず確認しましょう。
- 8ヶ月以上のコース(語学コースは不可)
- サティフィケート、ディプロマ、ディグリープログラムであること
- レッスン数がフルタイム(オンラインコースが50%以上含まれる場合は対象外となります)
- 公立校のカレッジ、大学、大学院
②プログラムを卒業する
学校の指定されたプログラムをクリアし、卒業資格を得てください。学校の卒業は必ず必要です。厳しいかもしれませんが、頑張って卒業してください。
③卒業から180日以内にPGWPの申請を行う
対象の学校を卒業してから180日以内にPGWP申請を行ってください。PGWPは学校側は行ってくれません。自己にて忘れず申請を行ってください。
また学生ビザの期限が残っているもしくは、学生ビザの期限が切れる前に観光ビザを申請していてもPGWPは申請が可能です。
最後のセメスターの時に全て位の単位を取り終えていることを十分に確認をし、Graduation ApplicationやRequest for Graduationといったような証明書(学校によって呼び名が異なります)を提出することで卒業の意思を見せる必要があります。場合によっては卒業日が1セメスター後になることもありますので、学校の期日を守りPGWPの申請に必要な書類を取得しましょう。
④PGWPビザを申請したら就労を開始する
PGWPの申請を行えばいつでも仕事を始めることができます。PGWPはオープンワークパーミットとなり、雇用主の選択に学校は関与しません。自己にて自由に就労先を選択することができます。
また都市の移動も可能ですので、ご自身が興味のある街へ挑戦するのもよいかもしれないですね。
PGWPビザの申請方法
PGWPの申請方法はオンラインでの申請と郵送申請の2つの方法があります。基本的にオンライン申請の方が簡単で便利であるため、オンライン申請をおすすめします。ここではPGWPのオンライン申請についてかなり詳しく説明していますので、自己で申請を行う際の参考にしてください。
myCICアカウントを作成する
カナダの移民局のサイトにログインし、自分のアカウントを作成する。
登録時に、「GCKey」と「Sign-In Partner」の2つの登録方法を選択できますが、カナダの銀行に口座がない方は「GCKey」を選択しましょう。
IDとパスワードの設定が必要であり、忘れると自分のアカウントに入れなくなります。アカウント作成時にはメモに残すなど忘れない工夫を行うことをおすすめします。 アカウントの作成時に好きな食べ物や好きな都市などを入力することになります。この質問と答えは本人確認の一環として使用されるので、忘れないようにしておいてください。
オンラインで学生ビザ申請を進める
アカウントを作成し、ログインが行えたら「Apply to come to Canada」をクリックします。次に「Visitor, Visa, study, and / or work permit」をクリックしまずは学生ビザの申請を行っていきます。そうすると質問画面が出てくるので、順に質問に答えていきます。
※以前は有効な学生ビザを持っていなければ申請できませんでしたが、2019年2月14日にルールが改定され、申請時に有効な学生ビザがなくてもポストグラデュエートビザの申請が可能になりました。
質問事項に順番に答えていく
キャンパスで働くかの質問にはNoを選択します。 続いて3つ質問事項が続きます。1つめの質問はパートタイムの質問になるのでNoを選択します。
2つめの質問はPGWPビザの質問になるので必ずYesを選択します。質問は「Have you recently graduated from a participating Canadian post-secondary institution for which your study program was full-time and a minimum of eight months?」の感じで質問されます。3つめの質問はCO-OPについてなのでNoを選択します。 質問事項が続きますが、PGWPビザは申請時にジョブオファーは必要ないため3つの質問はNoを選択します。滞在予定の州を選択し、質問は終了します。
「Post-Graduate Work Permit -in Canada」と表示されます
質問事項が適切であれば、質問の終了後にステータスが「Post-Graduate Work Permit -in Canada」と表示されるはずです。表示されれば問題なく進めています。
PGWPビザ申請の画面に進む
「Post-Graduate Work Permit -in Canada」と表示されればPGWPビザの申請に進みます。質問項目が続きますので、画面に従って回答して行ってください。
学校のプログラムがすべて終了したことを示す証明書を選択します(書類のアップロードは後になるので、回答するだけになります)。 続いて回答していくと表示された仕事に就くかどうかの質問があります。該当しなければNoを選択していただき、もし該当するようであればYesを選択します。
特別な仕事になるため、Yesを選択した方は追加でメディカルチェックの証明書などの提出が必要となるため、学校やエージェントに一度確認することをおすすめします。
添付書類をアップロードする
質問にすべて回答すると書類の提出画面になります。指示に従って必要な添付書類をCIC上にアップロードしていきます。必要な書類は下記に記載します。
IMM5710
IMM5710は答えてきた質問が一覧になった分です。質問に答え終わった後にダウンロードできますので、それを保存しアップロードします。
卒業レター
カナダの学校が学生の卒業を証明するレターになります。卒業式の時にもらう卒業証書とは違うため、注意してください。
最終成績証明書
最終成績証明書は最後の学期の成績が反映された成績表を使用します。最終成績証明書は卒業レターと一つのPDFファイルにまとめてアップロードします。
パスポート
パスポートは顔写真のあるページと全てのスタンプが押されたページ、学生ビザを合わせて一つのPDFファイルにしてアップロードします。パスポートの有効期限は受け取るビザの期間をカバーする期間であることを確認しましょう。
パスポートの有効期間が十分でない場合はパスポートの有効期間までしか発行されない可能性があるため、エージェントやビザサポート、学校などの相談することをおすすめします。
本人写真
本人写真は35㎜×45㎜以上のものを使用し、3か月以内に撮影されたものを使用してください。カナダのビザ申請用の証明写真が撮影できるGateway NewstandsというKioskまたはロンドンドラッグ内などで撮影できます。サイズを間違わないように注意してください。
本人写真はデータで受け取れればそのままアップデートできますが、実物であればスキャンをしてからアップロードすることになります。
申請費用$255を支払う
全ての書類をアップロードするとPGWPビザ申請の支払いになります。クレジットカードやデビットカードで支払うことができます。クレジットカードで支払いの際には裏面に記載されている番号の下3桁または4桁がシークレット番号になります。 支払い終了後、「successfully submitted」と表示されればプロセスは完了です。審査結果には数か月要します。PGWPビザは申請が完了した時点から就労することが可能になっているので、この時点より就労を開始することができます。
審査に要する目安期間はこちらで確認できます。
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PGWPの就労場所の選択
PGWPは上記で述べたようにオープンワークパーミットであり、働く場所に制限はありません。しかし、永住権の取得を考えているかたは、永住権の申請に有利な職種で働くことをおすすめします。
せっかく就労ビザを手に入れて働くのに、ディッシュウォッシャーや日本食レストランのキッチン補佐では永住権申請のポイントに不利です。逆に接客業であるサーバーなどはポイント加算されるため、移民を考えている方は職場の選択も慎重に行うことをおすすめします。
PGWP取得に必要な学費
PGWPを取得するのに気になるのがいくらくらい費用がかかってくるかです。PGWPを取得するには大学に8か月から2年間通う訳ですからそれなりの学費は必要になります。学校らプログラムの種類、プログラムの期間によって変わってきますが、2年間で200万円ほど必要になると考えていたほうがいいでしょう。
しかし、カナダでは大学などのフルタイム授業(ESLは除く)に通っている生徒は就労許可証なしでも週20時間以内のアルバイトが認められています。そのため、学業期間中であってもその間の生活費は賄うことができます。PGWPを取得されたい方は事前にある程度貯金をしておくことをおすすめします。
PGWP取得におすすめの学校【都市別】
トロント
カナダでも最大都市として有名なトロント。学校の数も多いため、選択肢が充実していることも魅力的です。公立専門学校との提携を多く持つ語学学校もありますので、語学力に自信がないけどPGWP取得をしたいという方にはお勧めの都市です。
Seneca College
公立のカレッジです。フライトサービスのコースが人気で、将来のキャビンアテンダントを目指す留学生が多く入校します。その他にも幼児教育・会計・ホスピタリティ等、コースもたくさんあります。
Niagara College
ホスピタリティや観光に最適で、CO-OPが充実しています。その他のコースでは、環境学やワイン醸造を学べるコースもあるので、ユニークな希望を持つ方から大変人気です。ナイアガラの滝まで車で25分のところにキャンパスがあるので、すぐに観光地へ行けるのも魅力的です。
Gerge Brown College
主要キャンパスが全てダウンタウンにあるので、公立校には少し珍しい好立地の学校です。ほとんどの学科が留学生の受入れを可能としているので、他校で出願不可だったコースに挑戦をすることができるかもしれません。
Humber College
カナダ国内でもトップのIT専門コースのある学校。IT系の仕事を目指している方には、一番お勧めの学校です。また芸術系の音楽・演劇・写真などの、アートコースにも定評があり質の高いカリキュラムを学ぶことができます。
バンクーバー
カナダの中でも3番目に大きい都市で、トロント同様多くの専門学校があります。バンクーバーは観光地としても国内外にて大変人気なので、カスタマーサービスやホスピタリティに興味のある方であれば最適な都市です。気候も他都市と比較し暖かいので、住みやすいのが特徴です。
BCIT
95%を超える就職率が圧倒的に高い学校です。カナダのIT技術を学び、業界をリードしていく人材育成を目指しています。立地も駅から徒歩約5分程度なので、仕事をしながらの通学にも便利です。
VCC
BC州の中で最も歴史ある公立カレッジです。150種を超えるコースがあるのと、期間も様々にあるため、自分の希望にあったプランを見つけることができます。
Douglas College
音楽・アート系の学部が充実しており、個性あふれる留学生に囲まれて勉強をすることができます。実践的なカリキュラムを開講しているので、実習・フィールドワーク・企業見学等があります。実際に職場に触れることができるのも魅力の一つです。
Langara College
カレッジ本科に通う約8割の学生が、学校編入制度を利用して提携大学へ進学をしていくことでも有名です。UBC(ブリティッシュコロンビア大学)に最も多く編入をさせている学校なので、大学進学を目指す方へもお勧めです。
ビクトリア
イギリス調の街並みが特徴の街。気候が落ち着いていて、観光地としてもとても人気です。学校の数は少ないですが、公立カレッジで有名で人気な学校があることでも留学生からも支持のある都市となっています。
CamosunCollege
BC州の州で最も規模の大きい公立カレッジです。学費は他校と比較し安価なので、予算を決めている留学生にも人気です。ビクトリア大学への編入を目指すことも可能です。
ビクトリア大学
カナダ西海岸を代表する大学の一つ。国内外からの評価が大変高く、現地学生も入るのが難しいと言われております。特に人気な学科はビジネス系、法律系となり競争率がかなりあるとのこと。名門校で知識を身に付け卒業ができれば、将来の自分の武器になることは間違いないでしょう。
カルガリー
他の州に比べ税金が安い為、滞在費を抑えることが可能です。また現在はカナダ国内の留学先として、バンクーバートロントに次いで人気のエリアです。
SAIT
ホスピタリティ・ツーリズムのプログラムは北米1位を誇ります。施設や設備も整っており、現在日本人留学先は1%以下と穴場になっています。
Lethbridge Polytechnic
アルバーター州の南部に位置し、カルガリー中心部からは少々離れますが、留学先へのサポートが手厚い学校です。チャイルドケアプログラムは1年を通して大変人気なプログラムです。
カナダへの移民を考えるならPGWPが一番の近道
PGWPについてご紹介しましたがいかがでしたでしょうか?PGWPは学費など初期費用がけっこうかかってしまうため、あきらめる方も多いと聞きます。しかし、カナダの永住権を取得したいのであれば、PGWPが一番の近道です。ぜひカナダへ永住するとるという夢をかなえてください。
カナダ留学やPGWPについて疑問点がある方はお気軽にお問い合わせください。