留学やワーキングホリデーで人気のあるカナダは、外国の中でも治安のよい国と言われています。では実際にどれくらい治安がいいのか、本当に危険ではないのかなど気になる方も多いのではないでしょうか?
特に留学など長期滞在となると地域選びの際にとても重要なポイントになってきます。ここではカナダの基本的な治安状況の実際から地域別の注意点など詳しく説明していきます。
世界からみたカナダの治安レベル
各国がどれくらい平和であるかを表す指標として世界平和度指数ランキングがあります。
カナダでは内線や政治での争いが少ないため、2019年には6位と上位にランクインしています。これだけを指標にすると、日本は9位であり、日本よりも平和度数が高いと言えます。
日本と比べてカナダの治安はどうなのか?
治安が良いという印象のあるカナダですが、日本と比べると治安は良いとは言えません。カナダの犯罪発生率は日本の約5倍以上であり、スリや置き引きなどを含め刃物を所持している人も多いのが現状です。
特に留学生などの「外国人」を狙ったスリや置き引きが多いので、日本にいる時よりも防犯対策をしっかりしておく必要があります。イメージだけで治安が良いと思い込んでしまわないように注意が必要です。
カナダで多い4つの犯罪
カナダで多い犯罪例を具体的にご紹介します。カナダに在住しているとこのような犯罪に巻き込まれることが多々あるので、犯罪例を知り対策や予防をしっかりとしておくことが重要になります。
①麻薬・覚せい剤
カナダでも日本と同様にヘロインやコカイン、LSDなどの覚せい剤は違法行為となっています。しかし、バンクーバーやトロントなどの大都市では警察の目をかいくぐって使用・販売されているケースが多いのが現状です。
パーティーやナイトクラブなどで気軽に声をかけてきて販売してくるケースも多々あるため、決して購入したりしないように気を付けることが必要です。
カナダでは2019年よりマリファナの使用が合法になりました。ダウンタウン内にはマリファナを専門に販売しているお店も沢山あり、身分証明書のみで気軽に購入することも可能です。
しかし、カナダに在住していても日本国籍の方がマリファナを使用した場合は違法行為となり逮捕の対象となります。留学中で羽を伸ばしてみたいと考える方もいるかもしれませんが、日本人にとっては違法行為になりますので、絶対に使用しないようにしてください。
②スリ・置き引き
カナダではバンクーバーやトロントなどの大都市はもちろんのこと、人が多い場所でのスリや置き引きなどの軽犯罪が多発しています。特に多額の現金を持ち歩いている可能性の高い観光客や外国人を狙って行われています。
留学生は無料で使用できる図書館を使用して勉強する人が多いのですが、図書館はスリや置き引きが一番起こりやすい場所となっています。
ホームレスなどお金がない人でも自由に出入りできるため、トイレを使用するために席を外している間に鞄やコートがなくなったというケースが多発しています。図書館を使用する際には十分に注意しましょう。
③車上荒らし
カナダの特に都市部で多発しているのが車上荒らしです。留学生で車を所有することはあまりないかもしれませんが、レンタカーなど車を使用する際には貴重品は必ず身に着けるようにしましょう。
車の車内に鞄やコートなどを置いていると窓ガラスを割り盗難される恐れが非常に高いです。車に物を置いたままにしないようにしたり、物は外から見えないトランクに入れておくなど注意が必要になります。
④性犯罪
特に女性に注意していただきたいのが性犯罪です。日本人女性は寡黙で扱いやすいというイメージを持たれており、外国人男性の力には到底太刀打ちできません。夜中の一人歩きや人影のない場所は避けて、大通りを歩いたりバスやタクシーを利用するようにしましょう。
また、マッチングアプリの使用が幅広く使用され見知らぬ人と簡単に知り合えるようになりました。知らない人と出会う際には簡単信用せず、密室で2人きりにならないように注意をすることが大切です。
トラブルに巻き込まれた時の対処法4選
どれほど注意を払っていても犯罪やトラブルに巻き込まれてしまうこともあるでしょう。カナダで万が一トラブルに巻き込まれてしまった時にパニックに陥らないよう対処法をご紹介します。
①留学エージェントや語学学校のスタッフなどに相談する
留学エージェントを使用している場合には一度相談してみてもよいでしょう。現地の語学学校のスタッフや留学エージェントのスタッフは何人もの留学生をうけいれているため、留学生のトラブルに対する知識が豊富です。
日本語が話せるスタッフも多いので、一度相談をしてみるのもよいでしょう。
②警察に連絡する
緊急の場合には即座に警察に連絡しましょう。警察への緊急連絡は911へ連絡してください。英語で伝えることに自信がない場合には「Japanese please」というと日本語を話してくれる人につないでくれる可能性があります。
③クレジットカード会社に連絡する
置き引きやスリなどでクレジットカードを盗まれた際にはすぐにクレジットカードの会社へ連絡し、止めてもらいましょう。海外電話になるので、家族に連絡を頼んでもよいでしょう。また、クレジットカードを盗まれていなくても、機械の使用時にカード情報だけを盗まれている場合もあります。
クレジットカードの引き落とし詳細はこまめに確認し、使用していない分の引き落としなどがないか確認することを推奨します。もし、発覚した場合は直ちにクレジットカード会社に連絡しましょう。
④在カナダの日本領事館や大使館へ連絡する
置き引きやスリなどでパスポートを紛失した場合には大使館や領事館へ直ちに連絡をし、再発行の手続きを行いましょう。下記にカナダにある大使館と領事館の連絡先の一部を表示していますので、参考にしてください。
都市 | 電話番号 |
---|---|
在カナダ日本国大使館 | 613-241-8541 |
在トロント日本国総領事館 | 416-363-7038 |
在モントリオール日本国総領事館 | 514-866-3429 |
在カルガリー日本国総領事館 | 403-294-0782 |
在バンクーバー日本国総領事館 | 604-684-5868 |
トロントの治安
カナダの大都市であるトロントは、北米の中でも殺人などの凶悪な犯罪がもっとも少ない街として知られています。しかし、安全と言われているトロントの中でも危険な場所は存在します。ここではトロントに在住するにあたり、注意するべき危険エリアと安全なエリアをご紹介します。
危険エリア①Jane streetとFinch streetの交差点付近
トロントの北西部に位置しているJane street とFinch streetの交差点はトロントでも最も治安が悪い場所として有名です。この交差点付近では銃撃事件が多発しており、昼でも通るのを避けたほうがよいと言われているほどです。
トロントのダウンタウンで生活している人にとっては近づくことの少ない場所になりますが、バスのルートにも含まれているため、このエリアを通るバスの利用は避けることをおすすめします。また、シェアハウスを探している方はこの付近のシェアハウスは利用しないほうが良いでしょう。
危険エリア②Sherbourne駅付近
Sherbourne駅はダウンタウンの近くに位置しています。Sherbourne駅周辺には低所得者向きのアパートメントが立ち並んでおり、いわゆるスラム街と呼ばれている地域です。
最近ではコンドミニアムなども建設されているため、以前より治安は良くなってきていますが、麻薬やドラッグの売買が頻繁に行われており、犯罪率の高いエリアになります。この付近には近寄らないようにすることをおすすめします。特に夜間の一人歩きは避けるようにしましょう。
危険エリア③Allen Garden
Allen Gardenは温室の庭園もある雰囲気の良い公園としてカナダの人々から知られている公園です。日中は人通りも多く、多くの利用者が見受けられますが夜間には麻薬やドラッグの販売場所としても使用されているため、近寄るのは避ける方がよいでしょう。
安全なエリア①Dundas駅周辺のダウンタウン
Dundas駅周辺は昼夜ともに観光客が多く、夜でも人で賑わっています。そのためトロントの中でも安全な地域と言えるでしょう。Dundas駅周辺にはイートインセンターと呼ばれるショッピングモールもあるので、買い物をするにも有名な場所になっています。
安全なエリア②地下鉄イエローラインのKing Union駅周辺
地下鉄イエローラインのKing Union駅周辺にはNBAやMLB、アイスホッケーなどのスポーツ観戦が楽しめるエリアとなっています。King Union駅周辺は治安もよいので安心して楽しむことができるでしょう。
注意点
トロントは他の国に比べると比較的安全に過ごすことができます。しかし、発砲事件などの事件も起こっているため、薄暗い場所や人気のない場所は避け早めの帰宅を心掛けるようにしましょう。
また、日本人は鞄などで席とりを行ってしまいますが、カナダでは鞄を盗まれてしまします。持ち物の管理は慎重に行うようにしましょう。
バンクーバーの治安
世界の住みやすい国ランキングにランクインしているバンクーバーはカナダでもが良いと言われています。しかし、スリや置き引きなどは日常茶飯事的に行われており、殺人や銃撃事件も起こっているのも事実です。バンクーバー内にも危険なエリアがあるのでご紹介します。
危険なエリア①チャイナタウン周辺
チャイナタウンには安いお店が多く、日中は観光客や地元の人で賑わっています。しかし、夜間にはホームレスや薬物中毒者が多く集まっている危険なエリアとなりますので、夜間には近づかないようにすることをおすすめします。
特にチャイナタウン付近のHasting streetは日中でもホームレスや薬物中毒者の集まる場所となっているので、近づかないほうが無難です。その付近を通るバスの使用も控えることをおすすめします。
危険エリア②スタンレーパーク
スタンレーパークはバンクーバーの中で最も大きい国立自然公園です。スタンレーパーク周辺にはビーチもあり、日中は観光客や地元の人たちでにぎわっています。バンクーバーの観光名所にもなっている場所で、サイクリングなども楽しめます。
しかし、夜間にはホームレスや薬物中毒者の寝床になっていたり、過去には障害事件やレイプなどの犯罪も起こっており、地元の学生が行方不明になるなどの事件も起こっています。夜間には近寄らないようにし、一人では付近を歩かないように気を付けましょう。
安全エリア・ロブソン通り
ロブソン通りにはいろいろなお店が立ち並び、バンクーバーの観光地としても知られています。昼も夜も人通りが多く明るいため比較的安心して通ることができます。
注意点
バンクーバーは基本的に安全な地域です。しかし、定期的に銃撃や殺人などの犯罪が起こっているのも事実です。薬物中毒者やホームレスが多く、特に何もしてきませんが夜間の一人歩きには十分に注意する必要があります。危険と感じる人には極力近づかないように心がけるのも犯罪に巻き込まれないために必要です。
モントリオールの治安
モントリオールはフランス語と英語が共用語のバイリンガルの都市になります。治安もとてもよいのですが、言語によるトラブルなどが多いのが特徴です。
危険エリア①ダウンタウン
モントリオールのダウンタウンは観光客や地元の人が集まる有名なエリアです。人の行き来が多い分安全なように感じますが、ダウンタウンでは観光客を狙ったスリや置き引きが多発しています。
アジアや日本人はターゲットになりやすく狙われます。ダウンタウンを歩く際には貴重品を常に意識し、バッグは目の届くところで保持するなどの注意が必要になります。
危険エリア②St.Laurent~Berri UQAM駅周辺のエリア
カナダの中でもモントリオールは治安のよい安全な街です。しかし、地下鉄のSt.Laurent~Berri UQAM駅周辺では夜間の人通りが少なく、スリ目的で街中を徘徊している人もいるので周辺を通る際には注意を怠らないようにしましょう。
注意点
モントリオールではスキミングといい、機械を使用した際にクレジットカードの情報のみを読み取られるという犯罪が多数行われています。スキミングが行われた際には不正に多額の金額が支払われます。
スキミング自体を回避することは非常に難しいですが、カードの暗証番号を知られないように入力をしたりカードは極力店員に預けないようにする、盗難保険に加入しておくなどスキミングのリスクを軽減することが重要です。
安全にカナダ生活を楽しもう
カナダは日本に比べると犯罪率は高くなりますが、他の国に比べると比較的安全です。カナダの危険エリアを知りトラブルを回避することでトラブルに合う確率がかなり減り、安全なカナダ生活を送ることができるようになります。
楽しみにしているカナダ生活が安全に過ごせるように念頭に置いて生活を行ってください。