日本ではキャビンアテンダント(CA)または客室乗務員と呼ばれ、北米ではフライトアテンダント(Flight Attendant)の名称で知られる空の上の接客業。特に国際線のフライトアテンダントに憧れる人は多いのではないでしょうか。そんなフライトアテンダントに求められるのが高い英語力や国際的な感覚です。今回はカナダで憧れのフライトアテンダントを目指す「フライトアテンダント留学」について紹介します。これを読めばカナダでフライトアテンダント留学をするメリットや方法が分かります。
目次
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フライトアテンダント留学とは
まず、フライトアテンダント留学には大きく2つの目的があります。
- フライトアテンダントに求められる英語力を身に付ける
- フライトアテンダントに必要なスキルや実務を学ぶ
ちなみに、フライトアテンダント留学をすれば「フライドアテンダントになることが保障される」というわけではありません。あくまでフライトアテンダント留学をすることで、周囲に差を付けられる可能性があるということです。
そもそも、一般的な日本の客室乗務員の採用試験応募に必要な条件は英語力だけで、学歴や特別な資格の取得などは問われません。(※航空会社によって条件は異なります)
つまり、英語力があれば新卒でも既卒でも誰でもフライトアテンダントを目指すことができます。しかし、日本の航空会社全体での客室乗務員の倍率は約20倍以上とかなりの狭き門です。
さらに、国際線での勤務を希望する人にとっては海外のフライトアテンダントのスタンダードを学ぶことで、世界に通用するサービスを実践することができます。
将来の選択肢を広げるためにも、フライトアテンダント留学は今注目されています。
カナダでフライトアテンダント留学をする3つのメリット
①航空業界への就職に特化した学校がある
カナダには航空業界への就職に特化した学校があり、カナダでの就職を目指す人にとっては心強いサポートを受けられるメリットがあります。カナダにはフライトアテンダントコース限らず、ツーリズム(観光業)やホスピタリティーなどを学べるカレッジや専門学校が多くあります。
世界各国から集まる留学生、現地で暮らすカナダ人にとっても人気の高いコースです。そのため、それぞれの学校が航空業界との間にコネクションを持っており、インターンシップや実習など学生が現場で働ける機会を設けています。
②航空関連のサービスについて実践的に学べる環境がある
フライトアテンダントコースを教える講師陣には現役または元フライトアテンダントといった経験豊富な講師がおり、自信の経験も交えながら授業を進めます。そのため、生徒たちは知識だけではない、よりリアルなサービスの現場をイメージすることができます。
現場で求められる人材になるためのノウハウが知れるのは大きな魅力です。また。採用につながるための英文履歴書の書き方や面接のコツなどを実際に就職した先輩たちから教わることができるのもポイントです。
③現地の学生と学ぶことで、英語力とグローバルな視点を手に入れられる!
カナダのフライトアテンダントコースを持つ学校には、留学生と同じようにフライトアテンダントを目指す現地のカナダ人も多く在籍しています。フライトアテンダントコースの国籍比は現地のカナダ人が6~8割、留学生が2~4割というところが多く、カナダ人と過ごすことで自然とカナディアンイングリッシュを身に付けることができます。
また、就職活動の際、英語力の高さはアピールポイントになりますが、他にも英語力のある人は大勢います。実は、英語力の高さだけで周りと差をつけることは難しいのです。そこでポイントになるのが、日本では出会えないさまざまな国の人たちと学ぶ中で培われるグローバルな視点です。
それぞれの文化背景や宗教観・地域性など、留学しなければ分からないことを体験できるのが多民族国家カナダでフライトアテンダント留学をする大きなメリットです。
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フライトアテンダントを目指すのにおすすめの学校4選
Eton College(イートンカレッジ) バンクーバー
Eton College(イートンカレッジ)はホスピタリティーやツーリズム、そしてフライトアテンダントといった専門性に特化したプログラムを行っている専門学校です。接客の現場で即戦力となれるプロフェッショナルを育成するために実習を多く取り入れています。
エアライン客室業務を実践するために飛行機の内部を模倣した実習教室があることもこの学校の大きな魅力です。また、卒業後の進路をサポートしてくれる専任のスタッフがおり、就職活動に必要なアドバイスやサポートを受けられます。
イートンカレッジはフライトアテンダントなどの航空業界に強いコネクションを持っており、卒業生の就職先にはキャセイパシフィック、アジア航空、日本航空など世界各国の航空会社があります。
Fanshawe College(ファンショーカレッジ) トロント郊外
30週間の「FLIGHT SERVICES」が開講されています。定員が35名程度ですが、留学生枠は年間10名程度と狭き門となっております。そのため、入学日の1年前あたりで出願が締め切られますので早めの出願が必要です。
フライトアテンダントになるための、航空機への乗り降りの案内、緊急時の案内などのシミュレーションが授業に取り入れられております。
英語力はIELTS6.0が必要です。
Seneca College(セネカカレッジ) トロント
Seneca College(セネカカレッジ)はトロントエリアに10のキャンパスを持ち、留学生から高い人気を誇る総合カレッジです。フライトサービス・キャビンアテンダント養成コースでは、セネカ特注のフライトアテンダントの制服を着用したり飛行機の内部のような教室で学んだりと、より現場に近い環境がつくられています。
また、このコースは4セメスター(2年)というかなり長期間のコースで、じっくりと学びを深めることができます。また、最終学期には150時間の実務経験が必須で、学んだ知識やスキルを実際に現場で活かすことが可能です。
セネカカレッジ付属ESL(English Language Institute)があるので、英語力が足りない場合、英語の基礎をしっかりと学んでからカレッジ本科進学を効率よく目指すことができます。
IBT College トロント
IBT Collegeはトロントにある私立カレッジです。オンタリオ州の省庁が認可した初めてのフライトアテンダントプログラムを提供しています。Canadian Institute of Travel Counselorsに認可されたディプロマプログラムを提供しています。
フライトアテンダントのディプロマプログラムは8週間のコースで費用は$1,895です。
フライトアテンダント留学のプログラム内容
概要
フライトアテンダントプログラムでは、机上での講義や実習などを通して航空業界で通用する知識や技術を習得します。カナダの多くのフライトアテンダントコースが実際の航空会社での就労体験やインターンシップなどを重要視しています。
実習できる時間に差はありますが、カナダの航空会社で業務を行うことが可能です。学校によっては研修の一環として、実際に航空機に搭乗し現役のフライトアテンダントのサービスを学ぶ経験ができるところもあります。
授業内容
フライトアテンダントプログラムでは、理論や知識などを学ぶ授業から、実際に現場に出て実習を行うなどなどさまざまなスタイルで学びを深めます。コースの内容は学校によって多少の差はありますが、下記に挙げる実践に近いカリキュラムが提供されます。
- 航空業界の基礎知識や専門用語
- 機種別の機体の構造や航空機システムについて
- 避難訓練や応急処置など緊急時の対応
- 火災時の消火/防火訓練
- 機内におけるカスタマーサービス
- 障害を持つ旅行者へのサポートの仕方
- 食の安全
- フライトアテンダントとしての基本的なマナーやロールプレイング
- 人間心理の理解
- 就職活動における英文の履歴書作成の仕方や面接のテクニックなど
受講に必要な英語力
フライトアテンダントになるためには高い英語力が欠かせません。特に、カナダでのフライトアテンダント留学の場合「英語を学ぶ」のではなく「英語で学ぶ」ことになるため、授業を理解できる英語力が必要です。
多くのカレッジや専門学校で入学条件としてIELTS6.0以上、TOEFL IBT60~80という高いスコアを提示しています。さらに学校によっては、学校独自の入学試験を行っているところもあるので確認が必要です。
英語力に不安がある人は提携先の語学学校や付属の語学コースを受講するという方法もあります。
コース期間
フライトアテンダントコースには8週間という短期間から受講できるものから、2年間かけてじっくり学べるものまで幅広い選択肢があります。短期間の場合は現場での実習がない場合もありますが、フライトアテンダントに必要な知識をしっかりと学ぶことができます。
一方で2年といった長期間の場合、学ぶ分野は多岐にわたり、実際に現地の航空会社で実習をしながらスキルや能力を吸収することが可能です。また、フライトアテンダントに関する授業だけではなく、チームビルディングやプレゼンテーションなども行います。
費用
期間 | 費用目安 |
---|---|
12週間 | 7,000ドル |
2年間 | 34,000ドル |
フライトアテンダントコースの費用は、通う学校や通学期間などによって異なります。12週~13週(2~3ケ月)のコースの場合、授業料や教材など含めた費用は約6,900~7,600カナダドル(約54~60万円)のところが多いです。
Seneca College(セネカカレッジ)の場合、フライトサービス・キャビンアテンダント養成コースの修了には2年かかります。その場合の費用は、1年間で16,996カナダドル(約134万円)とかなり高額になります。
当たり前ですが通う期間が長ければ長いほど留学にかかる費用は高くなります。学校費用以外の生活費については以下をご覧ください。
必要なビザ
カナダは6か月以内の渡航の場合はビザが免除されているので、2、3ケ月のコースの場合学生ビザは必要ありません。ただし、その場合オンラインで「eTA=電子渡航認証システム」を取得しなければなりません。申請には7カナダドル(約550円)かかります。下記サイトではeTAの申請方法についてご紹介しています。
または、ワーキングホリデービザも6か月以内の就学が認められているので、ワーキングホリデービザを取得して卒業した後に仕事を見つけて働くという方法も可能です。6か月以上のコースの場合は学生ビザの申請が必要です。
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卒業後の進路
ANAやJALなど日系航空会社
カナダのフライトアテンダントコースで学んだ経験を活かし、ANAやJALといった大手の日系航空会社のフライトアテンダントになる人もいます。
また、フライトアテンダントだけではなく、英語力や学んだホスピタリティーの知識を活かしてグランドスタッフやカウンタースタッフといった日系航空会社の別の職種に就職する人も多いです。
外資系企業
カナダで学んだツーリズムやホスピタリティーの知識やスキルを日本の外資系企業で活かす人もいます。フライトアテンダントコースの中には、実習やインターンシップなどを通して、リアルなカナダの職場体験をすることができます。そういった経験があることで、外資系企業で働く際にスムーズに職場に適応することが可能になります。
現地の航空会社でインターンシップ後、正規採用へ
フライトアテンダントコースを持つ学校の多くが、バンクーバー国際空港やトロント・ピアソン国際空港など、近くに空港があるロケーションにキャンパスを構えていることが多いです。
そのため、ポスグラ(指定のカレッジを卒業後取得できる就労ビザ)を利用して、現地の航空会社でインターンシップやアルバイトのような形で仕事を行い、そのまま正社員として採用されるという人もいます。
ただし、この場合はグランドスタッフや空港内の案内といった仕事が多く、フライトアテンダントとして現地採用されるためにはさまざまな条件があり難しいといわれています。
よくある質問
カナダのフライトアテンダント専門学校やカレッジを修了したら、カナダの航空会社で働ける?
カナダの代表的な航空会社と言えばエアカナダですが、エアカナダのフライトアテンダント業務に関しての募集は、カナダ国籍を持つ人のみが採用対象です。また、それ以外の航空会社でもカナダの公用語である英語とフランス語両方を話せる人材を募集しています。
フライトアテンダント以外でもグランドスタッフや空港内の別の職種で働けるチャンスはあるので、どうしてもカナダの航空会社で働いてみたいという人は、フライトアテンダント以外の職種にも目を向けてみてはいかがでしょうか。
日本で役立つ資格は取得できる?
そもそもカレッジや専門学校の入学条件である英語力を証明できるIELTSやTOEFLのスコアは、日本でも十分通用する資格です。日本ではTOEICが英語力を判断するテストとされていますが、最近ではグローバル化の影響でIELTSやTOEFLでも英語力を証明することが可能です。
また、ファーストエイドの証明書は応急処置に関する資格になり、日本で役立つ可能性があります。ただ、日本とカナダでは応急処置の基準が異なったり、やり方が違ったりという場合もあるので100%通用するわけではありません。
目に見える資格よりも、ホスピタリティーの知識や緊急時の対応の仕方など、カナダで学んだスキルは生きる能力として十分アピールする価値があります。
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まとめ
カナダでフライトアテンダント留学をするメリットや特徴が見えたのではないでしょうか。グローバル化が進む今求められる能力は、英語力はもちろん、世界的なスタンダードで仕事ができる人材です。
カナダでのフライトアテンダント留学では、英語力からフライトアテンダントに必要なスキルや知識を世界中から集まった留学生や現地のカナダ人と一緒に学べます。この経験は、同じ目標を目指す仲間として、お互いの価値観や考えを共有しながら成長できるきっかけになります。
ぜひ、カナダで一歩進んだフライトアテンダント留学にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
カナダでフライトアテンダントが学べる専門学校一覧
Fanshawe College(ファンショーカレッジ)
100か国以上から毎年3500人以上の留学生を積極的に受け入れています。ファッションや幼児教育、ビジネスなどコースの多さは総合カレッジならではの魅力です。
イートンカレッジ(バンクーバー)
ホスピタリティーを学びの軸としたカリキュラムが用意されています。ツーリズムや航空業界に関する知識を深めたい方には最適な学校です。
Seneca College(セネカカレッジ)
100か国以上から毎年3500人以上の留学生を積極的に受け入れています。ファッションや幼児教育、ビジネスなどコースの多さは総合カレッジならではの魅力です。
IBT College
ビジネスや旅行、医療、ITなどさまざまな専門プログラムを提供しており、オンタリオ州の省庁が認可した初めてのフライトアテンダントプログラムを提供しています。