モントリオール留学が人気な理由。基本情報とメリット・デメリット完全ガイド


英語学習を目的とした留学には滞在先選びが重要です。さまざまな留学先の中でも、カナダは英語の発音が美しく、さらに治安や環境の良さから安心して留学ができるため日本人に人気があります。

 

バンクーバーやトロントに続いて人気の都市といえば、「北米のパリ」とも言われるケベック州モントリオールです。

 

トロントに次いで第2位の経済規模を誇る大都市ですが、モントリオールを発見・開拓したのがフランス人であったという歴史的背景から、ヨーロッパ風情ただよう建造物が残る美しい街並みが特徴的です。

 

多様な文化に触れられるモントリオールには、世界各国から観光や留学で多くの人々が訪れます。

 

ケベック州の公用語はフランス語とされていますが、カナダの他州では公用語を英語とフランス語の2つと定められているため、モントリオールではほとんどの人が英語とフランス語両方を話せるバイリンガルです。

 

モントリオール留学では英語はもちろん、日常的にフランス語にも触れながらマルチな語学力を得られます。今回は美しい街と多様な文化に触れながら、充実した留学生活を送れるモントリオールにスポットを当ててご紹介します。

モントリオールの基本情報

モントリオールの面積と人口

ケベック州に属するモントリオールは、カナダの東海岸側を流れるセントローレンス川と オタワ川の合流点に位置する川中島で、人口や経済規模はカナダ最大であるトロントに次ぐ大都市です。面積は約400平方キロメートル、人口はケベック州で第1位の約380万人のスケールを誇ります。

モントリオールの地区・エリア情報

モントリオールは大都市として経済発展をとげながらも、旧植民地時代から続くヨーロッパ調のレトロな建造物が並ぶ美しい街です。郊外は山や川などの自然に溢れており、中心地では街の雰囲気を感じられ、少し足を延ばすとカナダらしい大自然にも触れられます。

モントリオールの物価

モントリオールはトロントに次ぐ2番目の大都市ですが、物価や交通費、家賃が安いため留学生にとって過ごしやすい街です。

 

カナダでは、州ごとに消費税を定めるため物価水準が異なります。モントリオールでは「国税」と「州税」の2つの消費税を払う必要があり、消費税率は合計14.975%です。

 

日本と比べると高く感じますが、食品や薬品、電気代などの生活必需品は非課税のため、これらにかかる費用を抑えられます。

 

交通費の安さもモントリオールの特徴です。バスと地下鉄の定期には割引があり、1週間で26.25ドル、1ヶ月で85ドル、4ヶ月で199ドル(1ヶ月あたり約50ドル)です。

 

トロントのバス・地下鉄の定期は1ヶ月146ドルかかるため、交通費をトロントと比べて3分の1程度に抑えられるでしょう。

 

また、家賃はルームシェアで月300ドルから見つかり、バンクーバーだと月700カナダドル以上かかる点と比べても生活コストを大幅に抑えて滞在できます。

 

以上の理由からモントリオールは物価が安いため、語学学校以外にかかる費用を大きく抑えて留学ができる都市だと言えるでしょう。

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モントリオールの気候

モントリオールには日本と同じく四季があります。

 

5月から9月末までは暖かい気候が続き、さまざまなイベントが催されます。7月と8月は日本の夏のように蒸し暑く、30度を超える日もあります。10月末からは雪が降り、4月末までの厳しい冬が始まります。

 

マイナス20度を下回る日もあるためしっかりとした防寒対策が必要となります。

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モントリオールの公用語

モントリオールはフランスの植民地であった歴史的背景から、フランス語が公用語です。街中の看板はフランス語表記が多く、英語圏のカナダにいながらもヨーロッパの雰囲気を感じられます。

 

カナダ全体では英語とフランス語を公用語とする州が多いため、モントリオール住民の90%は英語とフランス語を流暢に使いこなすバイリンガルです。街中やお店でフランス語で話しかけられても、英語で返事をすれば英語に切り替えてくれるので不便に感じることはありません。

日本からモントリオールへの移動

日本とモントリオール間の移動は直行便で約12時間ほどで到着します。

 

乗り継ぎ便の場合は、カナダかアメリカの都市を経由します。カナダ経由の場合はトロントかバンクーバー、アメリカ経由の場合はシカゴやダラスなどが乗り換え都市です。

 

カナダ経由は入国審査が一度で済むため楽で、アメリカ経由はカナダ経由よりも航空券が安いですが入国審査を2度行う手間がかかります。

モントリオール留学が人気の理由

人気の理由(1)英語とフランス語が同時に学べる

英語とフランス語のバイリンガル率が高いモントリオールでは、英語とフランス語を同時に学べます。街の看板や標識こそフランス語ですが、そこに住む人々は英語も話せるため、こちらが英語を使えば英語で返してくれます。

 

カナダが留学先として人気な理由のひとつが「英語のなまりが少なく、発音が美しい」という点ですが、モントリオールのカナディアンも例にもれません。英語だけでなくフランス語も身に付けたい、という留学生にはぴったりの環境であるといえます。

人気の理由(2)ヨーロッパ調の街並み

ダウンタウンの中心部は高層ビルが建ちならびますが、すこし外れるだけで石造りの建物や石畳が続く道などヨーロッパ調の街並みに出会えます。モントリオールは「北米のパリ」と言われ、世界各国から足を運ぶ人が後をたたない魅力にあふれる人気都市なのです。

人気の理由(3)日本人が少なく英語漬けになれる

カナダ留学ではバンクーバーとトロントに留学生の人気が集中しているため、語学学校の日本人も街中ですれ違う日本人いずれの比率もとても多いです。バンクーバーの語学学校では教室の半分以上が日本人、というケースも珍しくありあせん。

 

せっかく英語を学びにカナダに行くのですから、日本語漬けになるのだけは避けたいものです。

 

モントリオールは日本人が少ないため、語学学校内はもちろん、一歩街の外に出ても英語を使うため英語漬けの環境が整っています。他の都市と比べて英語の上達が早い点もモントリオール留学が人気である理由のひとつです。

モントリオール留学のメリット

メリット(1)英語とフランス語以外の言語も学べる

さまざまな国の人が訪れるモントリオールでは、英語とフランス語以外の言語を耳にする機会も多いです。語学学校にはアジアやヨーロッパ、中南米など世界各国から留学生が集まり、第一言語が中国語やスペイン語、イタリア語などの留学生と友達になれます。

 

また、移民が多い都市であることからイタリアやドイツ、スペインなどにルーツをもつカナディアンも多く、英仏のバイリンガルだけでなくトライリンガルも一般的です。

 

語学学校では英語をメインに学び、学校外では英語以外のコミュニケーション手段を伸ばせるチャンスを作れるのはモントリオール留学ならではの楽しみ方のひとつです。

メリット(2)現地のカナダ人も語学学校に通っている

モントリオールのなかでも郊外に近づくと、カナダ人でもフランス語を第一言語とする人が多くなります。カナダの他州で働くには英語が必要になるため、現地に住むカナディアンが語学学校へ英語を学びに行くことがよくあります。

 

バンクーバーやトロントの語学学校ではカナディアンが学びにくることは滅多にありません。しかしモントリオールならカナディアンと一緒に英語を学び、さらに友達になれるのです。

メリット(3)治安がいい

カナダは全体として治安がいい国ですが、モントリオールは特に治安がいい街として知られています。アメリカの国境近くに位置しながらも厳しい銃規制が定められており、発砲事件などもほとんど起こりません。

 

夜道や人ごみこそ注意する必要がありますが、基本的には日本と同じように安心して生活できます。日本とは法も文化も異なる街ですが、治安がよく安心して語学留学生活を送れます。

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メリット(4)物価が安い

モントリオールは他の大都市と比べて、物価が安く住みやすいと言われています。物価が安い要因は「消費税の非課税枠」「交通費と家賃の安さ」です。

 

消費税こそ14%を超えますが、食品や薬品などの生活必需品、光熱費は非課税です。

 

交通費は同じ大都市のトロントと比べて、バス・地下鉄の定期が1ヶ月あたり3分の1以下で購入できます。家賃も1ヶ月あたり300ドルから部屋が見つかり、バンクーバーやトロントの相場と比べて半分程度に抑えられます。

 

留学には莫大なお金がかかるため、それ以外の出費を抑えたい留学生にとって最適な都市だといえます。

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メリット(5)観光やアウドドアを楽しめるスポットが豊か

モントリオールは見どころが多く、世界中から観光客が訪れる街です。歴史的建造物が多くみられ、北米で最大のカトリック聖堂であるノートルダム大聖堂、ケベック州で最大のカトリック教会・サン・ジョセフ礼拝堂は毎日のように観光客が訪れる地としても有名です。

 

旧市街の街並みも夜には表情を変え、レトロな街灯が美しい街を幻想的に照らしだします。

 

街歩きだけではなく、郊外に足を伸ばせばカナダの醍醐味であるアウトドアも満喫できます。ローレンシャン山地では夏にキャンプ、冬はスキーが楽しめ、気軽に大自然と触れ合う機会を作れます。

 

英語の学習だけでなく観光やアウトドアも楽しみたい留学生にとって大きなメリットだと言えるでしょう。

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メリット(6)人々が暖かく、留学生の受け入れに慣れている

モントリオールはフランス語と英語の両方が話される都市ゆえ、カナダの中でも特に多民族が集まります。

 

ヨーロッパ、ラテンアメリカ、アジアなど世界中から留学生や移民が集まるため、モントリオールに住む人々は自国民以外の文化を理解して受け入れてくれます。

 

たとえこちらがつたない英語で話しても、語学を学ぶ留学生の姿勢を尊重して耳を傾け、コミュニケーションを取ってくれるでしょう。

メリット(7)芸術の街・モントリオールは語学以外の教養が身につく

シルク・ドゥ・ソレイユ発祥の地であるモントリオールは、芸術の街としても有名です。古くから芸術の分野に明るく、カナダ最古のモントリオール美術館には古代エジプトから中世ヨーロッパ美術、現代アートまで、のべ3万点以上ものコレクションが展示されています。

 

その他にも充実した施設が多いモントリオールでは語学以外の教養が身につき、さまざまな知識を蓄えられるでしょう。

メリット(8)教育の質が高く、学校の選択肢が豊富

モントリオールは北米有数の大学都市としても有名です。モントリオール大学、ケベック大学などの総合大学にはその教育の質の高さから世界各国の留学生が集まります。

 

AI研究が盛んな都市でもあり、モントリオールは「AI研究のハブ」とも言われています。

 

教育に熱を注ぐモントリオールは語学学校の講師やカリキュラムの質も高く、学校数も豊富です。選択肢が多いため、自分にぴったりな語学学校を選べるでしょう。 

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メリット(9)エンターテイメントが盛ん

モントリオールはエンターテイメントやスポーツも盛んな街です。F1グランプリやプロテニスのロジャーズカップ、モントリオール国際ジャズフェスティバル、モントリオール国際映画祭などの世界的にも有名なイベントが開催されます。

 

モントリオールは冬の寒さが厳しいため、夏の間には街のいたるところで開催されているイベントを目にできます。インターナショナルなイベントに参加できる点も、モントリオール留学ならではのメリットです。

メリット(10)アメリカ旅行やヨーロッパ旅行へ行きやすい(ニューヨークやボストン)

モントリオールはアメリカの国境に近く、アメリカ各都市へのアクセスがしやすいです。週末にニューヨークへ野球観戦に行ったり、ミュージカルを楽しみにいったりという過ごし方が叶えられます。

 

ヨーロッパへのフライトも多いため、交通の便のよさから旅行好きな方にもおすすめな都市です。

モントリオール留学のデメリット

デメリット(1)英語環境のみを求める人には不向き

公用語がフランス語のモントリオールでは、地下鉄のアナウンスや案内板がフランス語表記です。現地人のほとんどが英語とフランス語のバイリンガルで、英語のみでも十分生活できますが英語だけを集中して学びたい人にとっては過ごしづらさを感じるしょう。

デメリット(2)冬の寒さが厳しい

年間の寒暖差が激しく、冬場はマイナス20度を超える日があります。早ければ10月末から雪が降り始め、4月までは街中に銀世界が拡がります。防寒対策をしっかりとしなければ体調を崩してしまうため注意が必要です。

デメリット(3)仕事を見つけるにはフランス語の語学力も必要

就労ビザを所得して現地で働く体験ができますが、レストランのメニューがフランス語表記だったり、フランス語を第一言語とする人とも接したりするため、英語に加えて一定のフランス語の語学力も求められます

 

しかし、英語圏にいながらもフランス語を学びながら働く経験ができる点はモントリオールならではの魅力といえるでしょう。

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デメリット(4)旅行者立ち入り禁止エリアがある

モントリオールには軍事施設や行政管轄区域などの旅行者立ち入り禁止エリアが存在します。うっかり立ち入ってしまうと厳しく罰され、留学生活に影響を及ぼす可能性があります。事前に自分が行こうとしている先に立ち入り禁止エリアはないか調べ、十分に注意しましょう。

デメリット(5)アジア人が少ない

バンクーバーやトロントはアジアからの留学生や旅行客、移民が多く語学学校や街でも頻繁にすれ違います。しかしモントリオールはヨーロッパ圏からの流入が多いため、アジア人の比率が少ないです。

 

スーパーマーケットでアジア系の食材を入手するのに苦労するため、調味料や食材などは日本から持ち込むか、日本に住む家族に国際便で届けてもらう必要があります。

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モントリオール留学はこんな方におすすめ

今回はモントリオール留学の特徴やメリット、デメリットについてご紹介しました。

 

  • 英語とフランス語の両方を学びたい
  • 日本人が少ない環境で集中して英語を学びたい
  • パリのような美しい街並みのなかで生活してみたい
  • 費用を抑えながら留学したい
  • 芸術やエンターテイメントも満喫したい

 

こうした考えをお持ちの方にとって、モントリオールはぴったりな留学先のひとつになるでしょう。

モントリオールでの滞在方法

他州と比べて家賃相場が安いモントリオール。最後に滞在方法についてご紹介します。 滞在方法としてよく選ばれるのは「ホームステイ」「ルームシェア」「一人暮らし」の3つです。

ホームステイ

「留学といえばホームステイ」というほど、ホームステイは代表的な滞在方法のひとつです。ホストファミリーと生活を共にするため、慣れない海外生活が不安な方でも安心です。

 

モントリオールでのホームステイの場合、フランス語のみを話す家庭に配属される場合があり、英語中心の学習をしたい場合は注意しましょう。

 

ホームステイはシェアハウスと比較して家賃が高い傾向にあります。費用を抑えて留学したい方にはベストな選択肢ではないかもしれません。

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ルームシェア

ルームシェアは、ひとつの家をハウスメイトとシェアをする暮らしかたです。モントリオールでは家賃相場が安く、自分のことは自分で行う生活スタイルのためホームステイより費用を抑えられます

 

国籍が異なる他人と生活するため、文化の違いや家事分担のルールなどで自由度が低くなる点は注意したいところです。

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一人暮らし

一人暮らしは家事分担や門限などのルールを決める必要がないため、自分のペースで自由な生活がしたい方には適しているといえるでしょう。しかし、家賃をすべて自分で負担するので費用はシェアハウスよりも高くなります。

 

一人暮らしの家賃相場もシェアハウス同様に安く、他州では高くて叶えられない一人暮らしもモントリオールなら叶えやすい点は魅力です。

 

このように滞在方法にも種類があり、それぞれメリットとデメリットを併せ持っています。家賃の安さから自分にあった方法を選びやすいため、立地や費用、自由度の高さなど、どこを重視したいのか基準を決めた上で検討するのをおすすめします。

永井将馬

ワーキングホリデービザで渡航し、ユニクロでアルバイトを経験。アメリカでの語学留学の経験もありますので、アメリカとの違いもお話できます。

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