ビクトリアはカナダ西海岸に位置する人口40万人程度の比較的小さな街ですが、そんなビクトリアはカナダの留学先として大変人気の都市です。
美しい街並みやイギリスの伝統的文化を感じられる点などが特徴的ですが、そんなビクトリア留学が人気の理由、そのメリット・デメリットなどをまとめましたのでビクトリア留学をご検討されている方はぜひご覧ください。
ビクトリアの基本情報
ビクトリアの面積と人口
カナダ西海岸に位置するビクトリアは、ブリティッシュコロンビア州の州都で、約40万人の人々が暮らす都市です。カナダを代表する大都市であるバンクーバーに比べると小規模な街であるものの、国内の主要な政治機能が集まる重要都市でもあります。
ビクトリアの面積は20平方キロメートルほどで、日本でいえば調布市よりやや小さい程度です。
ビクトリアの地区・エリア情報
ビクトリアの特徴は、なんといっても英国を思わせるブリティッシュ調の街並みです。この街はかつてイギリスの植民地であったため、現在も英国文化が色濃く残っているのです。
ビクトリアは温暖な気候で過ごしやすく、季節ごとに美しい花が咲き誇る自然に恵まれた街として、人気が高まっています。
ビクトリアの物価
まず前提として、カナダは日本に比べて物価が高い国です。とくにバンクーバーやトロントなどの大都市は、観光客だけでなく移民も増えており、物価が上昇傾向にあります。
ビクトリアについてもやはり物価は高めですが、これらの大都市よりは落ちついた物価相場といえるでしょう。
注意点としてはチップです。カナダではチップは「マナー」とされているため、「サービスが良かったから今回は払おう」といったものではなく、サービスのたびに渡すことが前提とされるものです。
レストランでは会計の15〜20%、ホテルでポーターに荷物を運んでもらう場合、荷物ひとつあたり1〜3ドル、タクシーでは料金の10〜15%のチップが相場といわれています。
また、家賃も比較的高い傾向にありますから、留学当初はホームステイの方も、英語での生活に慣れてきたらルームシェアを検討するといった工夫が必要かもしれません。
ビクトリアの時差
ビクトリアと日本の時差は16時間あります。カナダ渡航の際に気をつけたいのは「サマータイム」です。カナダはじめ北米では、日の出時間が早まる3〜11月に1時間ほど時計の針を時間を早めることになっています。
「時差16時間」というのはこのサマータイムの間のものですので、12〜2月の冬時間には時差が17時間に伸びることになります。
ビクトリアの気候
寒いイメージの強いカナダですが、その中でビクトリアは、年間を通して温暖な気候の街です。夏場でも最高で30度、真冬の季節も3度ほどで氷点下まで下がることはほぼありません。日本と同じ感覚で過ごせるので、留学生もストレスなく暮らすことができるのです。
ビクトリアの公用語
カナダでは、英語とフランス語の2つが公用語として使われています。これは、かつてこの国がイギリス・フランスそれぞれの植民地だったことに根ざしています。ビクトリアはイギリス領だったことから、現在でも英語が中心に話されている街です。
一方、ケベック州などはフランス領だったために今でも90%以上の家庭でフランス語が使われるなど、地域ごとに異なる特色を持っています。
日本からビクトリアへの移動
ビクトリアは、日本からのアクセスに難があります。ビクトリアへの直行便がないため、基本的にはバンクーバーを経由して向かうことになります。待ち時間を含めると、日本からビクトリアまで10時間以上は見ておきましょう。
片道10時間となると、なかなか一時帰国することも難しくなります。見方を変えると、距離的に日本から遠ざかることで、英語の勉強に集中しやすくなるともいえますね。
ビクトリア留学が人気の理由
人気の理由(1)小規模な街で暮らしやすい
小規模な都市ビクトリアは、市内にかぎれば人口7万人ほどと非常にコンパクトです。小さなエリアですので、移動範囲も広範にならず、バスを中心とした公共の移動手段だけで不便なく生活ができます。
生活に必要な医療機関、スーパー、銀行なども歩いていける距離にあり、何かと便利でしょう。
人気の理由(2)ガーデンシティと呼ばれる美しく住みやすい都市
ビクトリアを語る上で「花」は欠かせない要素です。街のいたるところに花が咲き誇り、品のよい庭園が点在するため、「ガーデンシティ」とも呼ばれています。
学校や自宅から徒歩で行ける範囲に、美しい公園や庭園があれば、日々の疲れやストレスも癒すことができるでしょう。そもそもストレス自体が少ない街かもしれません。
人気の理由(3)イギリスの伝統的な文化を感じることができる
ガーデンシティと呼ばれるようになった庭園文化をはじめとして、ビクトリアにはイギリスの影響が強く残っています。
街を歩けば英国を思わせる家屋や店舗が立ちならび、二階建て式のバスが走り、アフタヌーンティーを楽しむ人々の姿を見ることができるでしょう。
ただ街を散策するだけでも楽しめますが、マーケットスクエアやロイヤルブリティッシュコロンビア博物館など、観光スポットも充実しています。
ビクトリア留学のメリット
メリット(1)1年を通して温暖な気候
過ごしやすい気候かどうかは、留学生にとって重要な要素です。日本と比べてあまりに暑い・寒いようでは留学生活に集中することができないかもしれません。
その点、ビクトリアは年間を通じて気候が穏やかです。雪国のイメージがあるカナダの中にあって、真冬でもほとんど雪が降らない街です。日本と同じような感覚と服装で過ごせるのは、留学生にとって嬉しいことでしょう。
メリット(2)ネイティブのカナダ人が多く英語がきれい
英語の語学留学先として人気のカナダですが、フランス語も公用語に定められていることや、中国を中心としたアジア系移民が増えており、英語以外の言語が多く使われる都市も少なくありません。
ビクトリアは、大都市のバンクーバーやトロントに比べて移民も少なく、ネイティブのカナダ人が大多数を占めています。そのため、ネイティブのきれいな英語により多く触れることができます。
メリット(3)マリンスポーツができる
アメリカとアラスカに挟まれたカナダは、どちらかといえば「寒い」「雪が多い」イメージがあります。そのため、レジャーというとスキーやスノーボードなどのウインタースポーツを想像する方が多いのではないでしょうか。
実際にカナダ全体で見ればスキーなどは盛んですが、温暖で海が近いビクトリアでは、マリンスポーツを楽しむことができます。
釣りやダイビングから、カヤック、セーリングといったレジャー、さらには悠々と海を泳ぐクジラを眺めるホエールウォッチングなども満喫することが可能です。
メリット(4)ビクトリア大学があるなど教育レベルが高い
ビクトリアには、世界的に高水準として評価されているビクトリア大学があります。そのため世界各国から優秀な学生が集まっています。また、ビクトリア大学への進学を目指して語学の勉強にはげむモチベーションの高い留学生も多く、結果として語学学校のクオリティも高くなっています。
しっかりとした教育レベルの街ですので、勉強に打ち込むにはもってこいの環境といえるでしょう。
メリット(5)日本人が少ない
留学生の多くが気にすることとして「日本人がいるかどうか」という要素があります。渡航先で日本人に会えれば心強いものの、あまりに日本人ばかりだと英語を使うチャンスが減り、留学の充実度が下がってしまう可能性があるためでしょう。
留学先として人気を集めるカナダの中で、バンクーバーやトロントは、その知名度から日本人留学生が多数滞在しています。
一方のビクトリアは、街の規模が小さいこと・日本からのアクセスがそこまで良くないことなどから、日本人が比較的少ない都市です。したがって、より英語でのコミュニケーションに集中できることでしょう。
メリット(6)人々がフレンドリーで留学生も過ごしやすい
政府の方針で多くの移民を受け入れているカナダは、移民大国として世界的に知られています。現在では30万人もの人が毎年移住しているほどです。
文化背景の異なる人々が一緒に暮らしていることもあり、カナダでは人々がとてもフレンドリーです。隣国アメリカのような銃社会でなく、重犯罪が比較的少ないことも関係しているのかもしれません。
街を歩いていれば、見知らぬ人に笑顔であいさつされることもあるでしょう。フレンドリーな人々に囲まれて、楽しく充実した留学生活が送れるのではないでしょうか。
メリット(7)英語を使う仕事が見つけやすい
英国文化やマリンスポーツなど、カナダの中でもユニークな魅力を持つビクトリアは、人気の観光地でもあります。そのため、人口規模のわりに観光を中心とするサービス業が発展しており、求人も多数出ています。
英語での生活に支障がないレベルになれば、英語を使ったサービス業の仕事を見つけることは他の都市と比べると容易といえるかもしれません。
メリット(8)カナダの中でも治安が良いエリア
治安については、カナダ全体が非常に良い国です。銃社会でなく、経済も比較的安定しているため、重大な犯罪が起きにくいのです。
中でもビクトリアは、もともと小規模な都市であることや、温暖でのんびりした気候であることなどから、とくに治安が良いエリアとして知られています。
もちろん夜間にひとりで外出したり、貴重品を不必要にたくさん身につけるといったことはおすすめできませんが、比較的日本に近い感覚で過ごせるのではないでしょうか。
唯一、「パンドラ」の辺りは治安が悪いとされています。マクドナルドもありますので間違えて行かないように注意しましょう。
メリット(9)滞在先もバスで30分圏内
ビクトリアには電車がありませんが、小さな街ですので、バスだけでほぼ不便なく移動することができます。実際には、一定の範囲なら徒歩だけでも不自由なく移動できるでしょう。
バスを使う場合はBC Transitというバスが市内を網羅しているので、必要に応じて使いましょう。バスなら市内を30分程度で移動できますので、自宅が中心街から離れていても、通学やショッピングに困ることはないはずです。
ビクトリア留学のデメリット
デメリット(1)語学学校の数が多くはない
ビクトリア大学をはじめ街全体の教育水準が高いことで知られるビクトリアですが、小規模な都市であるため、語学学校の数は多くありません。バンクーバーなどの都市と比べると、どうしても数では見劣りしてしまうでしょう。
とはいえ、それなりの学校数はありますし、選択肢が多すぎると逆に決められないということもありますので、デメリットというほどではないかもしれません。
デメリット(2)日本から直行便がない
ビクトリアは、日本から直行の飛行機がなく、バンクーバーを経由して渡航する必要があります。乗り換えや空港での待ち時間を入れると、片道最低10時間はかかるので、移動の負担が大きいことは間違いありません。
一方で、日本とビクトリアを何度も往復するというケースはほとんどないでしょうから、直行便がないからといって、そこまで大きなマイナス要素にはならないでしょう。
デメリット(3)語学学校には日本人が多い
先ほど「ビクトリアには日本人が少ない」ことに触れましたが、語学学校にはそれなりに日本人が多く集まっていることは理解しておく必要があります。
これは、街が小さく全体として日本人が少ないものの、比例して語学学校の数も少ないため、結果的に1校あたりに通う日本人は多くなってしまうというものです。
ただし、多いといっても「日本人ばかり」という環境はほとんどないでしょう。バンクーバーなどに比べて日本人留学生の間での知名度は高くありませんし、通常は同じ国籍の学生が集中しないよう学校側が配慮するものです。そこまでの心配は不要といえます。
デメリット(4)家賃が高い
観光地として人気の高いビクトリアは、国外からの観光客だけでなく、引退した国内の高齢者層が移住してくる街でもあります。こうしたリタイア層は基本的に裕福なこともあり、ビクトリアでは家賃相場が比較的高くなっています。
留学費用を抑えたいなら、中心地から離れた家を選んだり、ルームシェアにするなどの工夫が必要かもしれません。
ビクトリア留学はこんな方におすすめ
今回は、ビクトリア留学について、街の特徴や渡航のメリット・デメリットを解説してきました。ビクトリアは日本と変わらない感覚で過ごせる気候や治安に加え、移動が便利なちょうどいい規模感、自然を満喫できるマリンスポーツ、カナダでは珍しいイギリス文化を残す街並みなど、魅力的な街です。
相対的な学校数の少なさや、物価の高さなどのデメリットもありますが、渡航先としてのビクトリアの魅力を損なうほどではないでしょう。
- 温暖で安全な地域で過ごしたい
- 自然のレジャーを満喫したい
- 英語に集中できる環境で暮らしたい
- カナダとイギリスの文化を両方学びたい
このような希望をお持ちの方にとって、ビクトリアは理想的な留学先のひとつといえるのではないでしょうか。
ビクトリアでの滞在方法
ビクトリアでの主な滞在方法についてもご紹介しておきましょう。滞在のパターンとしては「ホームステイ」「ルームシェア」「一人暮らし」「ホテル」があります。
ホームステイ
留学で最もメジャーな滞在方法がホームステイでしょう。ホストファミリーとともに生活をスタートできるので、外国や英語での暮らしに慣れていない初級者でも安心です。
ただ、家賃はやや高くなる傾向がありますので、とにかく家賃を抑えたいという方にはあまり向かないかもしれません。
ルームシェア
次にルームシェアですが、これはハウスメイトと1つの住居をシェアするというものです。家賃を人数で分担するので節約になります。注意点としては、他人と暮らすことになるので、文化の違いや家事分担のルールなど、一人暮らしに比べてストレスと感じる可能性があります。
一人暮らし
続いては一人暮らしです。一番自由度が高いのがこの方法です。掃除や洗濯などの家事、門限、パーティーなどを自分で決めることができます。家賃は一般的にホームステイと同じくらいか、やや高くなります。ただし、間取りや立地によっては安くすることもできますので、工夫次第ともいえます。
ホテル
ホテルに滞在する方法もあります。これは、どちらかというと1ヶ月未満の短期滞在の方向けといえます。長期の場合には、コストが高くついてしまうためです。
ホテルのメリットはなんといっても利便性です。掃除やリネンの洗濯などはホテルがやってくれますし、食事をつけてもらうこともできます。生活に必要な設備は揃っているので、不自由なく快適に過ごすことができるでしょう。
一方で、やはり費用は高くなってしまうので、短期の滞在者で「住居探しなど、面倒な作業をカットしたい」という方におすすめといえます。
今回は4つの滞在方法をご紹介しましたが、いずれもメリット・デメリットがあります。ご自身の留学目的や滞在期間、予算などの基準に合った方法を選ぶことが大切です。