「カナダに留学する」と決めたはいいものの、どの語学学校に通えばいいのか迷ってしまう人は多いです。英語を学びにくる留学生が多いカナダでは、都市部を中心に多くの語学学校があります。
今回はカナダ留学で語学学校選びに迷わないために、選び方や見るべき8つのポイントを解説します!カナダに語学留学することを考えている人はぜひ参考にしてみてください。
記事の内容を3分動画にまとめておりますので、お時間がない方はこちらをご覧ください。
カナダの語学学校を選ぶ前にやっておくべき2つのこと
語学留学の目的・目標をはっきりさせる
「これだけの期間カナダに行くと英語がペラペラになる」とは一概に言えません。数ヶ月で格段に英語力が向上する人もいれば、1年以上カナダに滞在しても大して英語が上手くなっていない人もいます。
この大きな分かれ道は、留学前にあるのです。留学前に「なぜカナダに留学するのか」「何をゴールとするのか」を何度も自身に問いかけ、カナダ留学の目的や目標をはっきりとさせましょう。
目的や目標をはっきりと定めることで、それを達成するにはカナダで何を学ぶ必要があるか、どのような語学学校を選ぶ必要があるかが見えてきます。
アメリカに比べると約半額で留学できると言われているカナダですが、決して安い金額ではありません。なんとなくカナダにした、皆留学しているから自分もしたということのないようにしましょう。
語学学校に譲れない条件をリストアップ
✔予算は?
✔授業時間は?
✔滞在先は?
語学学校はカナダ各地にあります。特にバンクーバーやトロントの大都市では語学学校が乱立しており、選び放題です。選択肢が多いからこそ、どのように選べばいいのか迷ってしまいますよね。
1つずつ語学学校を見ていくのでは、ただ時間が過ぎてしまうだけです。まずは語学学校選びで譲れない条件をリストアップしましょう。
予算はいくらまでなのか、語学学校に何を求めるのか、どのような滞在方法を望んでいるのか、週にどれくらい勉強したいのかできるだけ具体的に希望条件を明らかにしましょう。
こうすることで、効率よく希望に合う語学学校を選ぶことができます。ぴったりの語学学校というのは人によって異なるため、人気の語学学校だからといって、そこがあなたにとってもベストの学校とは限りません。ぜひ、自身にぴったりの語学学校をみつけましょう。
カナダの語学学校を選ぶ8つのポイント
①ロケーション
カナダと一括りにしても、国土が広大であり、カナダのどこで留学するのかは大切です。特にカナダという国の特徴として、公用語が英語とフランス語であることが挙げられます。
ケベック州では英語よりもフランス語が浸透しており、語学学校には英語を学びにきている現地のカナダ人もいるほどです。
その他にも短期留学だから観光地にアクセスしやすいところに滞在したい、長期留学だから落ち着いた少し田舎に滞在したいという希望もあるでしょう。
カナダでもある程度どのような場所がいいのかを絞ると、語学学校を効率よく探すことができます。
カナダ留学で人気なのはバンクーバーとトロントです。駅近で好ロケーションの学校をそれぞれ1校ずつご紹介します。
バンクーバー:SELC
ウォーターフロント駅から観光名所の蒸気時に向かって徒歩3分にところにあります。治安のいい立地に学校があるので安心です。
トロント:UMC
エグリントン駅から徒歩2分の好立地です。駅から学校までほぼ直進なので、迷う心配はありません。
②語学学校の規模
規模 | 人数 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
小規模 | 10人〜50人 | 先生や他の生徒との距離が近い | コース数が少ない |
中規模 | 50人〜100人 | 専門知識を持った教師がいる | 他の生徒や先生との距離感は遠い可能性 |
大規模 | 100人以上 | 進学の提携先が豊富 | 先生との距離は遠くなる |
語学学校は、大きく3つの規模に分けることができます。10人〜50人の語学学校は小規模であり、生徒数が少ないからこそ先生や他の生徒との距離は近いです。その一方で選べるコース数が少なかったり、レベル分けがされなかったりします。
50人〜100人の語学学校は中規模と言われます。小規模の語学学校よりもクラス分けが多く専門知識を持った教師がいる可能性が高い一方で、他の生徒や先生との距離感は遠くなります。
そして100人以上は大規模な語学学校にカテゴリーされます。学校内に多くのクラスやコースがあるので、英会話専門の教師、文法専門の教師など専門的な知識をプロから学べます。また、大学やカレッジの提携先が豊富です。ただし人数が多い分、先生との距離は遠くなることがデメリットです。
このように規模によってメリット・デメリットはあります。どの規模が自分に合っているかは人それぞれであるため、どの環境が自分好みかを基準に選びましょう。
下記で規模別におすすめ学校をご紹介します。
小規模
IGKケロウナ
家族経営のアットホームな学校。クラス人数は最小で9人と講師と生徒のいい距離感を保てるよう、学習環境に工夫がされています。また費用もリーズナブルなのも魅力の一つです。
OHC
世界規模の学校でありながら、各キャンパスが小希望校となっています。ヨーロッパからの留学生も多く、カナダではバンクーバー・トロント・カルガリーに3都市にキャンパスがあります。
中規模
SSLC
姉妹校に専門プログラムを持つ、進学にも強い学校です。中でも「キャリアアッププラン」が人気で、追加費用なしに現地でコース変更が可能です。バンクーバー・トロント・ビクトリアにキャンパスがあります。
VanWest
厳しい母国語禁止ルールを持つ学校です。その甲斐あって留学生の方のモチベーションも高く、同じ国籍同士であっても常に英語で話す学生が多いです。バンクーバーのみならずケロウナにもキャンパスがあり、田舎で勉強をしたい人にお勧めです。
大規模
ILAC
カナダ最大大手の語学学校。
一般英語コースに加え、進学やcoop等専門プログラムも好評です。カレッジ・大学の提携も多いため、進学を希望の方にお勧めです。
Kaplan
世界規模の学校です。Kaplan独自の教材を使用しており、講師・生徒・カリキュラムの質は大変好評です。
③コースの充実度
語学学校によってコースの充実度は異なります。「英語」と一括りにしても、スピーキングを重視する学校もあれば、読み書きを中心に英語のスコアを伸ばすことに特化している学校もあります。
また、コースで言えば生活で使う英語を中心に授業を行う「一般英語コース」、カナダをはじめとする海外大学への進学を目指す「大学受験コース」、TOEICやTOEFLなどの対策をする「試験対策コース」、仕事で使う英語を勉強する「ビジネス英語コース」などがあります。
大規模な語学学校であれば自由にコースを変えられたり、他のコースの授業を聴講できたりします。その一方で小規模な語学学校では、そもそもコースが設定されていないこともあります。
効率よく自身の英語の目標を達成するためには、適切なコースを選択することがカギとなります。
下記の学校は多様なコースに定評があります。
ILSC
選択制の時間割を採用している学校です。他校では午前に基礎英語、午後に選択科目となっていることが多いですが、ILSCでは午前の授業から選択をすることができます。科目数は130以上と豊富です。
SGIC
スピーキング特化・ILETS対策・ビジネス英語・TESOL、TECSOL等のコース加え、提携カレッジで受講可能な「ジョイントcoopプログラム」で有給インターンシップが可能です。
④希望の学習環境
人によって学習の効率が上がる環境は異なります。図書館のように静かな環境で勉強したい人、カフェなどある程度騒がしい場所で勉強したい人、机に向かって勉強することで覚えられる人、人と話しながらの方が覚えられる人など、どの勉強法が正しいというのはありません。
そのため、語学学校が提供している学習環境をチェックしてみましょう。語学学校の中に図書館やカフェが併設されているところや、英語を話したい人が集まる部屋を用意しているところもあります。
自分に合わない学習環境の中では十分に学習効果が発揮されず、思ったより英語力が伸びない原因にもなるので重要です。
下記の学校は商業施設内に学校があるのが特徴的です。
IH Vancouver
商業施設内にキャンパスがあるので、家では集中ができないという方には最適です。ちょっとしたカフェ等もあるので、帰りがけに課題やテスト勉強をして帰るにはちょうどよい環境です。
⑤教師資格の有無やトレーニング制度
語学学校のパンフレットやサイトを見てみると、教師について資格がある人だけを雇っていることやトレーニング制度の充実さが記載されていることが多いです。
教師資格があるということは教えるプロであることを示します。特にビジネス英語やTOEIC/TOEFL/IELTSなどの英語スコアを伸ばしたいという具体的な目標がある場合、専門知識を持った教師陣であることは安心要素となります。
面接や英語テストだけで語学学校の先生になれるところもありますが、専門知識を学びたい場合にはそれ相応の資格や経験があるかを確認しましょう。また、学校によっては教師の質を高めるため、毎月のように教師もテスト受け、合格点を出すことを条件にしている学校もあります。
下記の学校は先生の教育に力を入れています。
Kaplan
長期勤務の講師が多いので、各講師色々なアプローチをかけて授業を展開してくれます。学校独自の教材使用方法のトレーニングや講師資格を持っているので、卒業生からの満足度も非常に高いです。
EC
英語教育の専門知識と経験を持った専門スタッフチームが作成している「グローバルカリキュラム」があります。各レベル・各週・毎日の授業で網羅すべき内容が明確にされているので、より質の良い授業を提供しています。
⑥無料クラスがあるか
語学学校によっては無料クラスを実施しているところもあります。これは参加自由制で、放課後などの空いている時間帯に文法や会話、ボキャブラリーなどの授業を先生が開講してくれるというものです。
日本人のカウンセラーがいるところでは、英語だけでは理解が難しい生徒に向けて、日本語で文法のつまずきやすい箇所を教えてくれるところもあります。
無料クラスは無くても支障はありませんが、あったほうが英語学習に役立てる可能性が高いです。そして何より無料クラスなので気軽に受けられ、まずは受講してみて「自分には合っていない」、「このレベルなら自分でも勉強できる」、「放課後は他のことをしたい」などと思うのであればいつでも止めることができます。
そのため、無料クラスが全くない学校よりは、無料クラスがある学校の方がおすすめです。
下記の学校は無料クラスが充実しています。
EC
会話クラブやスキル別クリニック等、各学校オリジナリティーある無料ワークショップを提供しています。仕事探しに活用できるものや、ゲームを通して楽しく英語を学べるものなど、ユニークなものもあります。
Tamwood
無料のワークショップが豊富にあります。生徒が悩みやすいテーマを勉強会として開講していて、ボキャブラリー・ディスカッション・スピーキング・発音等12のカリキュラムの他にも、毎ランチ時間に個別の質問ができるスタディーホールがあります。
⑦1週間の授業数
語学学校を選ぶ際、多くの人が費用面だけを見ています。もちろん、決して安くはない留学費なのでなるべくコストを抑えたい、安い学校に通いたいという人が多くいます。
しかし金額の安さだけで語学学校を選ぶのは危険です。金額とともに必ず1週間の授業数やスケジュールが記載されているので、注目しましょう。
金額が安くても午前中だけしか授業が無い学校や、金曜日はクラスがない学校もあります。それに少し費用を足すだけで2倍の授業が受けられることも少なくありません。
金額面での安さだけでなく、1週間の授業数に合わせてコストパフォーマンスが高い学校を選ぶことがポイントになります。
しかし、そうは言っても費用も重要な要素です。格安語学学校をご希望の方は以下をご覧ください。
授業時間が長い学校としては下記が挙げられます。
ILAC
インテンシブイングリッシュで30レッスン/週、パワーイングリッシュで38レッスン/週と、断トツにレッスン数が多いです。パワーイングリッシュでは通常より30%早く上達する実績も持っています。
CCEL
フルタイムで28レッスン/週、フルタムインテンシブで38レッスン/週と、ILACに次ぐレッスン数の多さです。coopプログラムや試験対策等、コースも豊富にあるので大変お勧めです。
⑧入学時期
私立の語学学校では多くが毎週のように入学できるようになっています。しかし中には2週間ごと、1ヶ月ごとと入学時期が決まっている学校もあります。
同じ語学学校でも、大学に附属している語学学校はセメスターの初めにしか入学できず、それを逃すと次のセメスターまで待たなければいけないこともあります。
入学時期によって渡航のタイミングも変わってくるため、せっかくカナダに来たのに、最初の何週間かすることがなくて家にこもっていたなどということがないためにも、事前に入学時期は確認しましょう。
どうしてもこの日から語学学校をスタートさせたいという希望がある場合には、毎週入学を受け入れている語学学校に狙いを定めるといいです。
カナダの語学学校で重視しなくてもいい3つのポイント
①日本人の生徒比率
多くの学校では、ある国籍の生徒が偏ることのないように国籍の制限を設けています。日本人に人気の語学学校でも、全体に占める日本人の割合がおよそ20%を超えないようにしています。
これは語学学校側が多国籍で英語の学習環境が整っていることをアピールすると同時に、同じ国籍同士で固まることを防いでいます。
留学に来て日本人と交流し、日本語を話していても英語力は向上しません。また、日本人比率が少ない学校に行っても、下級クラスは日本人が集中するケースが多いです。
学校全体では10%未満でもクラス内には80%日本人がいるということもあります。そのため、日本人比率だけを見ていても実態がわかりませんので、詳細は留学エージェントや学校に確認しましょう。
②日本人カウンセラーの有無
大規模な学校であれば、日本人カウンセラーが常駐していることも少なくありません。特に初めての留学の場合、分からないことだらけで、緊急時には日本語を話せるという安心感が得られます。
これはもちろんメリットとして考えられますが、せっかく英語を使って自身の困っている状況の説明やアドバイスを求められる機会なのに、母語に頼ってしまうことになります。
緊急時ほど自身の英語力が試される場であり、伝えたいのに伝わらないという悔しさは英語を勉強するモチベーションにも繋がります。日本人カウンセラーがいることがマイナスポイントとまでは行きませんが、いなくてもプラスの要素になりうるということを覚えておきましょう。
③母国語禁止(EOP)の厳しさ
カナダの語学学校は、全ての生徒に学校内で母国語を使うことを禁止している学校が多いです。つまり、日本人であれば学校にいる間は日本語が使えません。こうすることで日本人同士でも英語で話す機会を作り、他の国の生徒ともコミュニケーションをとれるようになります。
しかし、学校によってその厳しさは異なります。英語以外を話していると注意されるところもあれば、母国語を話していても見てみぬふりをしているところもあります。
母国語禁止であることは、英語だけを話すことに慣れるという大きなメリットがあります。しかし、ルールが厳しい学校でも日本人が固まれば小さい声で日本語を話す人はどこにでもいるため、母国語禁止をどれだけ意識するかは自分次第です。
また、母国語禁止を厳しくしている学校は概して日本人比率が高い学校が多く、そうせざるを得ないというのも実情です。
まとめ
今回は、カナダでの語学学校の選び方について、そのポイントを紹介しました。英語の勉強は自身の努力次第である部分が多いですが、英語を学習する環境も大切です。
そのため、語学学校選びは留学の成功を左右する、重要なポイントと捉えることができます。誰にとってもパーフェクトな語学学校はないからこそ、しっかりと通う前に大金を払う価値があるのか、自分にとって通いやすい学校なのかを吟味する必要があります。
【全139校】カナダの語学学校一覧
LCI Language Schoolモントリオール(LaSalleカレッジ付属語学学校)
専門学校であるLaSalle Collegeの付属語学学校です。モントリオールらしく英語とフランス語の授業が開講されています。日本人学生の割合が低く、また専門学校に通うカナダ人とも近い距離感で留学生活を送ることが出来ます。
LCC / ISSランゲージ&キャリアカレッジ
バンクーバーにある政府の移民サポートNGO運営の語学学校。以前は移民のみ対象としていましたが、今では日本人をはじめ、諸外国の語学留学生に向けてもその門戸を開いています。
LLI(ロンドン・ランゲージ・インスティチュート)
全校生徒数50名程の小規模語学学校です。生徒と教師の距離は近く、アットホームな学校です。大都会よりもアジア人比率は少なく、英語環境に身を置ける環境です。少人数制クラスの為、教師の目が生徒一人一人に行き届きます。
MIILAモントリオール
MILLAは、ケベック州のモントリオールにある語学学校です。ケベック州の公用語はフランス語なため、MILLAでは英語とフランス語のコースが両方開講されています。2007年設立の校舎は非常に新しく、設備も最新です。
MLS(モントリオール・ランゲージ・スタディーズ)
落ち着いた雰囲気で明確な目標を持った生徒が多く、モチベーションを保って英語の勉強に打ち込めます。生徒全体の平均年齢も高めなので、社会人や留学初心者の大人にもおすすめできる学校です。