英語の語学留学先として、カナダは人気の高い国です。広大な国土の中に、都会と自然が調和した魅力的な街がいくつも存在しています。
今回はそんなカナダの街のひとつ、カルガリーにスポットを当ててご紹介します。カルガリーは、トロントやバンクーバーのような世界的な大都市に比べれば、知っている人は多くないかもしれません。
でもカルガリーには、発展した大都市にはない魅力がたくさんあります。人とは違った留学生活を送りたいという方に、とてもおすすめの留学スポットといえるでしょう。ぜひ、参考にしてみてください。
カルガリーの基本情報
カルガリーの面積と人口
カナダ中西部のアルバータ州に位置するカルガリーは、約800平方キロメートルの面積を持つ、国内で5番目に大きな都市です。125万の人々が暮らしています。平原に囲まれた自然豊かな地域で、雄大にそびえるカナディアンロッキーにも1時間ほどでアクセスが可能です。
カルガリーの地区・エリア情報
カルガリーは非常にバランスのとれた街です。都市として適度に発展しながら、周囲を恵まれた自然に囲まれ、文化と自然が融合しています。こうした背景から生活環境もよく、近年にわかに人気が高まっていることから、観光業が盛んになっています。また、農業や石油産業の歴史が古い地域でもあります。
カルガリーの物価
カナダは、他の英語圏に比べて物価水準が日本に近い国ですが、中でもカルガリーは物価が安いことで知られています。
その理由は「消費税」と「交通費」です。カナダでは基本的に州税と物品税という2つの消費税を払う必要があり、その合計は12%にもなります。しかしカルガリーを含むアルバータ州では、消費税は物品税の5%のみと定められており、他州に比べて税負担が軽くて済むのです。 交通費については、カルガリー中心を走るCトレインという路面電車が特定の駅で無料で利用でき、その他のエリアでも300円程度で90分乗り放題などユニークな仕組みを導入しています。
買い物と移動にお金があまりかからないので、費用を抑えて留学したい方にはとくにおすすめの地域といえます。
カルガリーの時差
カルガリーと日本の時差は15時間です。日本に比べて15時間遅いと考えてください。なお、これは3月〜11月のサマータイムの場合であり、それ以外の期間(冬時間)では時差は16時間になります。
カルガリーの気候
カルガリーは非常に寒さが厳しい街です。とくに冬は、最低気温がマイナス15〜20度になることも珍しくないので、防寒対策をしっかり行う必要があります。
ただし年間を通じて湿度が低くカラッとした気候のため、冷え込みの厳しい冬場以外は過ごしやすいでしょう。
カルガリーの公用語
カルガリーは英語を公用語としています。なお、カナダ自体はイギリスとフランスの両方に統治されていた歴史的背景から、英語とフランス語の2言語が公用語です。
ケベック州などではフランス語が多くの家庭で話されるなど、州や地域によって比重は異なります。「英語を重点的に学びたい」という方であれば、カルガリーは何ら心配はいらないでしょう。
日本からカルガリーへの移動
カナダの地域によっては、日本からの直行便がなくトロントなどを経由する必要があるケースも少なくありません。一方カルガリーは直行便が随時出ていますので、面倒な乗り継ぎなしに行き来できます。
フライト時間も9時間半ほどのため、13〜14時間かかる東海岸エリアと比べるとアクセスしやすいといえます。
カルガリー留学が人気の理由
人気の理由(1)カナダの大自然に触れられる
カルガリーは、自然あふれるカナダの中でもひときわ大自然に恵まれた地域です。カナディアンロッキーまで車で約1.5時間で行くことが可能ですし、ゲレンデや湖、森林などビッグスケールな自然にも触れることができます。
人気の理由(2)生活環境が良い
留学生にとって渡航先の治安やインフラ水準などは大事な要素です。せっかく念願の留学を果たしても、日々の不安や不便が多いと充実した生活を送るのは難しいからです。
その点、カルガリーは生活環境の良さが抜群といえるでしょう。というのもカルガリーは、イギリスの経済誌エコノミストが発表する「世界でもっとも住みやすい都市ランキング」でトップ10に常時ランクインする街なのです。 公共サービスや治安、衛生といった要素で選べるこのランキングで、2018年にカルガリーはウィーンやメルボルンに次いで4位にランクインしました。カルガリーの住みやすさは世界的にも認められたレベルということで、留学生にとっても安心でしょう。
人気の理由(3)学費を抑えながら質の高い教育が受けられる
カルガリーでは、歴史あるカルガリー大学をはじめ、質の高い教育機関が数多く集まっています。日本での認知度はそこまで高くないカルガリーには日本人は比較的少ないので、カナダ人や他国からの留学生とより多く接するチャンスがあり、英語の上達も期待できます。
さらに、先ほど触れたように税制度の点から物価が安いため、他州よりも学費を抑えられるでしょう。留学費用を節約しながらしっかり学びたい方にぴったりの環境といえるのです。
カルガリー留学のメリット
メリット(1)日本人が少なく英語環境を作りやすい
カルガリーは、カナダの留学先としては知名度がそこまで高くないので、日本人が多くありません。そのため、英語でのコミュニケーションに集中しやすい環境といえます。
あくまで日本人が少ないというだけであって、全くいないわけではありませんから、日本人の友達もしっかり作りながら英語に注力できるのではないでしょうか。
メリット(2)物価及び税金が安い
留学には多大な費用がかかるため、金銭面からためらってしまう人もいるかもしれません。しかしカルガリーのあるアルバータ州は消費税の制度が他州と違うため、他州より7%も負担が低く済みます。
食料品や日用品、外食代なども大都市圏に比べれば安価で済む可能性が高いでしょう。費用を抑えて留学したい方には嬉しい点といえます。
メリット(3)のどかな街で人々が暖かい
近年発展を続けるカルガリーですが、他の都市に比べれば、自然が多く街の雰囲気ものんびりとしています。そこに暮らす人々もゆったりと穏やかな印象で、異国からやってきた留学生にもフレンドリーに接してくれるはずです。
メリット(4)車で1時間ほどでカナディアンロッキーに行ける
アルバータ州はアメリカのモンタナ州と国境を挟んで隣り合っており、2国の間にそびえるカナディアンロッキーにも車でアクセスできる好立地に位置しています。
世界的にも有名な観光スポットに日帰りで行ける点は、勉強だけでなく休日のレジャーも満喫したい方には魅力的なポイントでしょう。
メリット(5)近年目覚ましい経済発展を遂げている
カナダの都市といえばまずバンクーバーやトロントの名前があがるものですが、第5の都市カルガリーも、好景気に支えられて急速に発展してきています。
カルガリーは自然が大きな魅力の街ですが、刻一刻と変貌を遂げる都市を目の当たりにするというのも、貴重な体験なのではないでしょうか。
メリット(6)治安は良好
カナダ全般が治安の良さで知られていますが、中でもカルガリーは安全性の高い地域です。先ほどもご紹介したように英・エコノミスト誌の「世界の住みやすい街ランキング」で常に上位にランクインするなど、世界的にも住みやすさが認められています。
もちろん夜に一人でダウンタウンを歩くといった行為はおすすめできないものの、海外の地域の中では、日本に近い感覚で暮らせる数少ないエリアのひとつといってよいでしょう。
メリット(7)ウィンタースポーツが盛ん
冬場の気温がマイナス15度を下回るカルガリーですから、スキーやスノーボードをはじめ、ウィンタースポーツが非常に人気です。
カナディアンロッキーの入り口でもあるバンフ・ジャスパーといった国内屈指のスポットがあり、最寄りのスキー場まで1時間で行けるなどウィンタースポーツ好きにはたまらない環境といえます。
メリット(8)就労ビザを取得できるチャンスが豊富
海外で就労ビザを取るのは簡単でないケースが少なくありませんが、カルガリーは比較的チャンスが多いと考えてよいでしょう。カルガリーのあるアルバータ州では、ワークパーミット(就労ビザ)を取得しやすく、カナダで長期的に仕事がしたい方におすすめの地域です。
州経済の主軸である石油産業が盛んで発展が続いており、慢性的に人不足であるため、一定レベルの英語力があれば仕事も見つけやすいはずです。
メリット(9)英語の訛りが少ない
カナダの地域によっては、アジア系移民の増加などからノンネイティブの英語話者が多く、また英語以外の言語が多く使われているケースも少なくありません。
しかしカルガリーは比較的移民が少なく、ネイティブのカナダ人が人口の多くを占めています。したがってネイティブのきれいな英語に接しやすいのです。きれいな発音の英語を学びたい方に向いている環境といえます。
メリット(10)中心部は電車があり便利
大自然のイメージが強いカルガリーですが、発展の続く都市部では交通網がよく整備されており、とくに電車・路面電車は充実しています。
そのため、大学や語学学校への移動に不便を感じることは少ないでしょう。一部の駅間は無料で乗れる電車もあるので、積極的に利用したいものですね。
カルガリー留学のデメリット
デメリット(1)冬は非常に寒い
最低気温がマイナス15度を下回るカルガリーの冬は、日本ではなかなか体験したことのない寒さです。「これぞ雪国カナダ!」とポジティブに考えることもできるかもしれませんが、しっかり防寒対策をしておかないと、体調を崩して勉強どころではなくなってしまうかもしれません。
地域によってはカナダでも年中温暖なエリアもあるものの、「カルガリーの冬は寒い」ことはよく理解しておく必要があります。
デメリット(2)語学学校の数が多くない
学校の多さは人口にある程度比例しますから、トロントなどの大都市と比べるとカルガリーは学校数が少なくなります。
とはいえ、学校のレベルが低いというわけではもちろんなく、選択肢が多すぎないため少数の学校をじっくり比較検討できる点でも、学校が少ないのはメリットとも考えることができます。
デメリット(3)日本のものは手に入りづらい
カルガリーには他の大都市よりも日本人やアジア系移民が少ないため、どうしても日本の食材や日用品などが手に入りづらいのが実情です。
日本の製品は現地で購入すると高くつくことがほとんどなので、軽量のものは渡航の際に日本から持参したり、後日国際便で郵送してもらうなどするのが良いでしょう。
デメリット(4)仕事を得るには一定の英語力が必要
経済発展により求人も増加しているカルガリーですが、どのような仕事であれ、職につくには相応の英語力が求められます。
英語でのコミュニケーションに不安のある人は、まずは勉強に集中し、英語力を高めたうえで仕事探しにチャレンジすることをおすすめします。
カルガリー留学はこんな方におすすめ
今回は、カルガリー留学について、特徴やメリットをお話ししてきました。カルガリーはまだまだ認知度が高くない街ながら、他の大都市よりも多くの自然が残り、リラックスしながら勉強に集中できる環境があります。
また、近年の急速な経済発展により都市部も刻一刻と変化しており、活力みなぎるダイナミックな街の様子にじかに触れることもできます。
- 治安の良い場所で英語に集中したい
- カナダらしい大自然を満喫したい
- とくにウィンタースポーツを楽しみたい
- 発展する都市を肌で感じたい
こうした思いをお持ちの方には、カルガリーはぴったりな留学先のひとつといえるのではないでしょうか。
カルガリーでの滞在方法
最後に、カルガリーでの滞在方法に関しても、ご紹介しておきましょう。滞在のパターンとしては「ホームステイ」「ルームシェア」「一人暮らし」の3つが考えられます。
ホームステイ
「留学といえばホームステイ」というほど、ホームステイは代表的な滞在手段です。ホストファミリーと一緒の生活からスタートできるので、外国や英語での暮らしに不安のある初級者でも安心です。
反面、家賃は高くなる傾向があり、「とにかく家賃を抑えたい」という方にはベストな選択ではないかもしれません。
ルームシェア
ルームシェアは、ハウスメイトと1つの住居をシェアするという方法です。家賃を人数で分担するので、費用の節約になることが大きなメリットでしょう。
一方で注意したいのは、他人と暮らすことになるので、文化の違いや家事分担のルールなど、一人暮らしよりも自由度が低くなる点です。
一人暮らし
最後に一人暮らしですが、もっとも自由度が高い滞在手段といえます。掃除や洗濯などの家事、門限を自分のペースで決めることができます。
家賃をすべて自分で負担するため、シェアハウスよりも高くつくことにはなりますが、ストレスなく自分のペースで暮らしたい方にはもっとも適しているでしょう。 このように滞在方法にも種類があり、それぞれメリットとデメリットを合わせ持っています。ご自身に合った方法を選ぶのが良いですから、費用や立地、暮らしの自由度など、自分がどの要素にこだわりたいかを基準に検討することをおすすめします。