トロントはカナダ最大の都市であり留学先として人気です。
東側の都市ですので日本人は比較的少なめ、かつ冬は非常に寒くなるなどチャレンジングな側面もありますが、海外留学で自分を磨きたいという思いがある方にはぜひ挑戦していただきたく思います。
日本から直行便がある点も留学先としてのトロントの魅力を高めています。
トロントの基本情報
トロントの面積と人口
カナダ最大の都市であるトロントは、東海岸のオンタリオ州に位置しています。300万人近い人々が暮らしており、アメリカを含む北米全体でもとくに人口が多い大都市として知られています。
世界各国から移民が集まるトロントは、世界でもっとも多様な文化の都市とも呼ばれ、文化背景の異なる住民同士が互いを受け入れて暮らしている街です。さまざまな文化を持つ人々と積極的に交流したい方にはぴったりの環境といえるでしょう。
トロントの地区・エリア情報
トロントはカナダ経済の中心地であり、日本でいえば東京に当たる地域といえるでしょう。カナダの主要な企業が本社を構え、日本企業の拠点も数多く存在します。
中心街にはオフィス街らしい高層ビルが林立していますが、一方で郊外には公園や自然も広がり、都市と大自然が調和している街でもあります。
トロントの物価
トロントは日本に比べるとやや物価が高い街です。例えば消費税は、トロントのあるオンタリオ州では13パーセントで、8パーセントの日本よりも重くなっています。
また、カナダはチップ文化の国ですので、ホテルやレストランでは代金の15〜20パーセントのチップを支払う必要があります。消費税とチップの負担を考えると、外食はできるだけ抑えて自炊をメインにするのが賢明でしょう。
トロントの時差
トロントは、日本との時差が14時間あります。なお、これは11月から3月までの「冬時間」での時差であり、それ以外の期間に適用される「夏時間(サマータイム)」では時差は13時間となります。
トロントの気候
カナダ東海岸のオンタリオ州は、非常に寒い地域です。北極から吹く冷たい風により、11月頃から氷点下になって雪が降り始めるようになります。日本で雪にあまり馴染みのない暮らしをしていた人は、十分に防寒対策をしておくことをおすすめします。
トロントの公用語
カナダは英語とフランス語の2言語が公用語とされている珍しい国です。これは、かつてこの国がイギリスとフランスそれぞれに統治されていた歴史から来る文化です。その中でトロントは、英語を公用語として定めていますから、英語の上達を目的とする留学生にはぴったりでしょう。 一方で、「英語とフランス語の両方を学びたい」という方であれば、隣のケベック州がおすすめです。ケベック州、とくに大都市モントリオールはフランス語話者も多いので、英語・フランス語をバランスよく習得することができるはずです。
日本からトロントへの移動
トロントは、日本から直行便の飛行機が出ており、13時間ほどで渡航できます。広大な国土のカナダの中には直行で行けない都市もあるため、トロントのアクセスの良さは留学生にとって嬉しい点でしょう。
トロント留学が人気の理由
人気の理由(1)カナダ経済の中心地
国内の大企業や多国籍企業が拠点を置くトロントは、カナダ経済の中心です。世界6位の規模であるトロント証券取引所を擁していて、金融都市としても存在感があります。 雄大な自然で知られるカナダの中でもっとも発展した都市であるトロントは、快適な暮らしがしたい留学生には特に向いているといえます。
人気の理由(2)世界で暮らしやすい街トップ10の常連都市
イギリスの経済誌エコノミストが発表する「世界でもっとも住みやすい都市ランキング」で、トロントは毎年トップ10前後にランクインしています。
2018年にはシドニーや東京に次いで8位となっており、治安や衛生、公共サービスなどいずれも高い水準の街であることがわかります。快適で安定した生活ができれば、勉強をはじめ留学生活に集中しやすいのではないでしょうか。
人気の理由(3)語学留学先として人気上昇中
安全で暮らしやすく、近郊には大自然も広がるトロントは、語学留学の渡航先として人気が高まっています。
教育にも力を入れている街のため、世界の大学ランキングで上位にランクインしているトロント大学をはじめ、大学や語学学校が豊富に揃っていることも人気の理由でしょう。
図書館や無料Wi-Fiなどの環境も整備されており、英語を学ぶには理想的な環境といえるかもしれません。
トロント留学のメリット
メリット(1)カナダ東部では学校が一番豊富
教育に力を入れている都市のため、トロントには語学学校が多数存在します。学校数が多いので学校間の競争が激しく、学生を獲得しようとそれぞれ特徴的で質の高いサービスを展開しています。
学習コースの豊富さやアクティビティ、進学・就職のサポートなど、学校ごとにさまざまなカリキュラムを用意していますから、目的に合った学校を見つけやすいでしょう。
メリット(2)都会にも関わらず物価は高くない
レストランでのチップや高めの消費税など、カナダは日本と比べてやや物価が高い国です。ただし、他の英語圏であるアメリカやイギリス、オーストラリアなどは、家賃や食材や日用品など、生活に関するほとんどのコストが日本よりも高くなっています。
その点カナダは日本と物価水準が近く、チップなどの特殊な要素はあるものの、語学留学先の中では安い費用で行ける国といえるでしょう。 とくにトロントは快適に暮らせる大都市でありながらさほど物価が高くない珍しい街です。「費用は抑えたいけど、不便で治安に不安がある街はイヤだ」と考える留学生にとっては理想的な場所かもしれません。
メリット(3)移民が多くつたない英語でも暮らしやすい
多民族都市であるトロントには、世界各国から多くの移民が集まっています。基本的なコミュニケーションは英語になりますが、ネイティブでない英語スピーカーが多く、訛りが多かったりボキャブラリーが少ないといった話者も大勢暮らしています。
そのため、人々は相手の英語力に対して寛容であり、英語初級者でも安心してコミュニケーションを取ることができます。
メリット(4)総じて治安は良い
「世界の住みやすい街ランキング」でトップ10の常連であるトロントは、数百万人が暮らす大都市でありながら治安が良いことで知られています。留学先を決める際、治安の良し悪しは重要な要素の1つでしょう。
せっかく留学しても安心して街を歩けないような環境では、充実した留学生活を送ることは難しくなります。トロントなら、日本とほとんど変わらない感覚で安心して過ごすことができるでしょう。
メリット(5)四季があり、一年を通してカラッとして過ごしやすい
海外には四季のない地域も少なくありませんが、トロントには四季があり、春にはお花見、秋には紅葉も楽しむことができます。一年を通じてカラッとした気候で、気持ちよく、過ごしやすい街といえます。
メリット(6)公共交通機関が充実しており便利
大都市トロントでは交通機関が充実していて、地下鉄、バス、路面電車がそれぞれ街中を網羅しています。この3つの交通機関を合わせてTTC(Toronto Transit Commission)と呼び、共通のチケットと同一料金で利用することができ、とても便利です。
メリット(7)郊外にはナイアガラなど大自然が広がる
近郊に数多くの観光地があることもトロントの魅力です。世界三大瀑として有名な「ナイアガラの滝」はバスで2時間の距離にあり、気軽に訪れることができます。
平日は中心地で勉強に励み、週末に大自然でリラックスするといった過ごし方ができるのも、留学生に人気の理由なのでしょう。
メリット(8)エンターテインメントが豊富
観光地として人気の高いトロントでは、大自然だけでなく、スポーツやミュージカルなどのエンターテインメントも充実しています。
スポーツなら野球やバスケットボール、アイスホッケーがとくに有名です。また、「エンターテインメントディストリクト」と呼ばれるエリアにはミュージカル劇場が密集し、1年中いつでも催しを楽しむことができます。
メリット(9)アメリカにも近い
トロントは、同じ北米のアメリカに近いため、アメリカ各地へのアクセスが容易です。
例えばニューヨークには飛行機で1時間ほどで行くことができますし、ワシントンやボストンなどにも数時間で移動できます。カナダだけでなくアメリカにも足を伸ばしてみたい方には嬉しい点といえます。
メリット(10)いざとなれば日本食も手に入る
留学先でふと恋しくなるのが日本料理です。長期留学の場合、数ヶ月も日本食を口にしていないと、どうしても食べたくなるときもあるでしょう。
多数の移民が暮らすトロントでは、とくに中国人をはじめとするアジア系移民の数が多くなっています。アジア料理のレストランやアジアの食材を扱うお店も多く、日本食も比較的容易に手に入ります。
トロント留学のデメリット
デメリット(1)移民が多く、英語に訛りがあることもある
移民が多いことで、英語初心者でも安心してコミュニケーションを取れる点はトロントの良いところです。一方で、ノンネイティブが多いということで、英語に独特の訛りがある話者も少なくありません。
日本でキレイな英語の教材などで学習してきた留学生は、はじめ聞き取りがうまくいかず手間取ってしまう可能性もあります。 とはいえ、慣れてくれば聞き取れるようになりますし、ノンネイティブの話者の「キレイな英語よりも伝わる英語であることが大切」というスタンスを学べることはとても貴重です。
訛りをあまり不安視せず、むしろグローバルに通用する英語が学べる環境と捉えるべきでしょう。
デメリット(2)アジア人は西側に比べると少なく疎外感を感じる可能性がある
アジア系移民が多い街といっても、地理的にアジアから近い西海岸のバンクーバーなどに比べると、どうしてもアジア人の数は少なくなります。そのため、環境によってはアジア人がほとんどいないというケースもあり、疎外感を覚えてしまうこともあるかもしれません。 しかし、もともと留学の目的は語学の上達や異文化との交流でしょうから、日本人をはじめアジア人が少ないのなら「チャンス!」と考えて前向きになるほうが、充実した留学生活を送れるはずです。
デメリット(3)英語ができないと仕事が見つけづらい
大都市であり、観光地としても発展が続くトロントは、多数の求人があります。カフェやレストランなどの外食サービスから、雑貨屋やホテル、観光ガイドなど、バリエーションが豊富です。
また、企業も多数存在しており、オフィスワークの求人も増えています。ただ、求人が多くても、英語力がなければなかなか仕事は見つけにくいでしょう。 英語力に自信がない場合は、日本食レストランなど、日本人である強みが活かせる仕事で実践的な英語を磨き、英語力を高めてから別の仕事にチャレンジするのが良いかもしれません。
デメリット(4)冬は極寒
四季があり、1年を通じて過ごしやすいとはいえ、トロントの冬は厳しいものです。氷点下を下回ることも珍しくなく、雪が降り積もる日もあります。そのため防寒対策は不可欠ですが、日本ではなかなか見られない雪国の景色も味わえるので、極寒であることはそこまでデメリットとはいえないでしょう。
トロント留学はこんな方におすすめ
今回はトロント留学について、街の特徴や留学のメリット・デメリットを解説してきました。トロントは世界でも有数の住みやすい街であり、治安や衛生、充実した都市機能、豊富な自然など、留学生にとって魅力的な場所です。
- 快適で安心して暮らせる都市に留学したい
- カナダらしい大自然も満喫したい
- 多様な民族の文化に触れたい
このように考えている方にとって、トロントは理想的な留学先のひとつといえるのではないでしょうか。
トロントでの滞在方法
ここではトロントにおける、主な滞在方法についてもご紹介しておきます。トロント滞在のパターンとしては「ホームステイ」「ルームシェア」「一人暮らし」が考えられます。
ホームステイ
ホームステイは、現地のホストファミリーのお宅にお世話になる滞在方法です。現地人と一緒に暮らすので、海外生活に不慣れな人でも安心です。その反面、通常の家賃に加えてホストファミリーへの支払いも上乗せされるため、やや割高になりがちです。
ルームシェア
ルームシェアは、ハウスメイトと1つの住居をシェアするというものです。1人あたりの負担額を抑えたい方や、異文化交流をより深く経験したい方におすすめです。
ただ、いってみれば赤の他人と一緒に暮らすことになるため、文化の違いや家事のルールなど、一人暮らしに比べてストレスを感じる可能性もゼロではありません。
一人暮らし
一人暮らしですが、これはもっとも自由度が高い滞在方法といえます。掃除や洗濯などの家事も門限も自分で決めることができます。
家賃については立地や間取りなどの要素によって、ホームステイよりも安く抑えることができるでしょう。とはいえ、一般的にはホームステイ以上に高額になる可能性が高い点を理解しておきましょう。 滞在方法にはそれぞれメリット・デメリットがありますから、予算やイメージする暮らし方など、ご自身の目的に合った方法を選ぶことをおすすめします。